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0186〜0237 開目抄 0202:01〜0203:09
第27章 経文一一に符合するを明かす
本文
夫れ小児に灸治を加れば必ず母をあだむ重病の者に良薬をあたうれば定んで口に苦しとうれう、在世猶をしかり乃至像末辺土をや、山に山をかさね波に波をたたみ難に難を加へ非に非をますべし、像法の中には天台一人法華経・一切経をよめり、南北これをあだみしかども陳隋・二代の聖主・眼前に是非を明めしかば敵ついに尽きぬ、像の末に伝教一人・法華経一切経を仏説のごとく読み給へり、南都・七大寺蜂起せしかども桓武・乃至嵯峨等の賢主・我と明らめ給いしかば又事なし、今末法の始め二百余年なり況滅度後のしるしに闘諍の序となるべきゆへに非理を前として濁世のしるしに召し合せられずして流罪乃至寿にも・をよばんと・するなり。
現代語訳
だいたい子供に灸をすえれば、必ず母をあだむ。重病者に良薬を与えれば、きっと口に苦くて飲みにくいという。釈尊在世すら、なおこの理法で、法華経に対しては怨嫉が多かった。まして時代が像法、末法とくだり、しかも日本のような辺土においては、なおさらしかりである。山にまた山をかさねるごとく、波にまた波をたたむがごとく、難に難を加え、非に非を増大して、いよいよ正法は説きがたく信じがたくなるのである。像法の中には、天台が一人、法華経・一切経を読み切って、正しく説いた。南北の各宗がこれを怨んだけれども、陳・隋の二代の聖主がその面前で対決せしめて、是非を明らかにしたので、天台の敵はついにみな降伏してしまった。像法の末には、伝教が一人、法華経・一切経を仏説のとおりに読んだ。奈良の七大寺が伝教に反対して蜂起したけれども、桓武天皇や嵯峨天皇等の賢主がみずから仏法の正邪を明らめ給うたので、また事なきをえた。今、末法の初め二百余年である。仏の予言のごとく「いわんや滅度の後をや」という大怨嫉が起こる前兆として、また闘諍の序となるべきゆえに、日蓮が法華経を正しく説くといえども非理の邪法を立てていて、濁世のしるしに、彼の邪宗と対決させることなく、かえって日蓮を流罪し、ないし命にも及ぼうとしているのである。