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【あすへの話題】自然災害とコロナ 将棋棋士 谷川浩司
日本経済新聞 夕刊 1面(1ページ)
2020/8/27 15:30
7月の豪雨は各地に大きな被害をもたらした。そして間もなく9月1日。関東大震災の日を迎える。また、神戸で震災を経験した私にとっては、1月17日は一生忘れることのない日である。
このように、年に1、2度は自然災害に思いを巡らせるのは大事で、災害に遭ったときにどのように行動するかを想定することが、減災につながってゆく。
さて、コロナ禍のなかで私は、震災と共通する点、違う点はどこかということを考えていた。
震災のときも今回も、当たり前と思っていたことが実は幸せなのだと痛感した。復興までかなりの時間を要する点も同じ。
相違点としては、自然災害は起こったときが最悪で、少しずつ復興に向かうが、コロナはいつが最悪なのか分からない。
現時点では、日本が一番危険だったのは4月頃と思われるが、今後もっと大きな波がくるかもしれない。
ただ、第1波によって知識と備えもできたので、「正しく恐れる」ことによって、コロナとの共存は可能であろう。
地震の激しい揺れも、コロナウイルスの目に見えない脅威も、少しずつ記憶は薄れてゆく。ただそれは気が緩んでいるわけではなく、相手を正しく理解し、恐怖を自分の中で消化できたからだと思いたい。
「気にしないで、気をつける」。どなたの言葉かも既に忘れてしまっているが、印象に残るフレーズがある。もともとは、生活習慣病などで悩む人に対する医師の言葉なのだが、自然災害にも、そしてコロナウイルスに対してもあてはまる言葉だと考える。