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◎北斗七星(公明)
2020/08/27 1面
All come to look for America――サイモン&ガーファンクルの名曲『アメリカ』は、ヒッチハイクと長距離バスで“アメリカを探す旅”に出た若者の歌。公民権運動やベトナム戦争で揺れる1960年代米国社会の深い喪失感が漂う
◆ミシガン、オハイオ、ペンシルベニア。若者がたどった各州は重工業、製造業の集積地として栄えた。しかし、経済のグローバル化に伴う産業の空洞化で「労働者の街」は廃れていく。製鉄所は次々と閉鎖され、自動車産業は低賃金の労働者を求めて去っていった
◆その3州やウィスコンシン州など「ラストベルト(さびついた工業地帯)」と呼ばれる五大湖周辺諸州が脚光を浴びたのは2016年の米大統領選だ。共和党のトランプ候補は、ラストベルト諸州で連勝。大方の予想を覆して民主党のクリントン候補を破り、世界を驚かせた
◆仕事やコミュニティーを奪われ繁栄から取り残されたと感じていたラストベルトの労働者は、「雇用を取り戻す」「再びアメリカを偉大にする」と訴えるトランプを押し上げた
◆11月の大統領選まで約2カ月。今回もラストベルトの動向に注目が集まる。国を超えた連帯が求められる中、自国第一主義に傾く超大国の針路を、世界は固唾を呑んで見守る。みんながアメリカを探している。(中)