法華真言勝劣事
『天台の義を盗む堕獄の宗と明かす』
127ページ
「舌口中に爛る』
◎問うて云く天台大師の玄義の三に云く「法華は衆経を総括(そうかつ)す乃至舌口中に爛(ただ)る人情を以て彼の大虚(たいご)を局(かぎ)ること莫れ」等と云云、
<通解>
問うていう。天台大師の法華玄義巻三に「法華経はもろもろの経を総括している…舌が口の中で爛れる…人の執情であの虚空に境界を設けるようなことがあってはならない」等とあり、
『謗法の罪苦・長劫に流る』
◎釈籤(しゃくせん)の三に云く「法華宗極の旨を了せずして声聞に記する事相のみ華厳(けごん)・般若(はんにゃ)の融通(ゆうずう)無礙(むげ)なるに如かずと謂う諫暁(かんぎょう)すれども止まず舌の爛(ただ)れんこと何ぞ疑わん、乃至已今当の妙玆(ここ)に於て固く迷えり舌爛(ただ)れて止まざるは猶為(こ)れ華報なり謗法の罪苦・長劫に流る」等と云云、
<通解>
法華玄義釈籤の巻三には「法華経が根本の極理を説いた経であることを領解しないで“法華経は声聞に記別を与えるという相対的現象を説いているだけであり、華厳経や般若経の融通無礙という普遍的真理を説くものには及ばない”と思い、諌めても改めようとしない。
この人の舌が爛れることは疑いない。…已今当の深妙の義に対して、ここで固く迷っている。舌が爛れてやまないのは、まだこれは来世の前兆として現世に受ける報いである。謗法の罪の苦しみは未来永劫につづくのである」とある。
また、他の御書でも「墓ないかな天台の末学等華厳真言の元祖の盗人に一念三千の重宝を盗み取られて還つて彼等が門家と成りぬ」(0239−05)等と、華厳宗と真言宗が天台の一念三千の法門を盗み、天台宗がかえって天台密教に堕落した事実が厳しく指摘されている。
天台大師の法華玄義には、
「法華は衆経を総括して而も事は此に極まる。仏の出世の本意なり。諸の教法の指帰なり。人、此の理を見ず、是れ因縁の事相なりと謂って軽慢して止まずんば、舌、口中に爛れん。…人情を以って彼の大虚を局ること莫れ」とある。
法華経こそ諸経を総括した究極の教えであり、釈尊の出世の本意で諸の教法を帰すところであるとし、その法理を見ずに因縁の相を説いたのみで経を見て軽んじ、我が経のほうが勝れていると慢心した場合には、口中の舌が爛れるであろうと戒めているのである。
更に、妙楽大師も法華玄義釈籤で、
「法華宗極の旨を了せず、声聞に記する事相のみ、華厳・般若の融通無礙なるに如かずと謂う。此くの如く説く者、諌暁すれども止めずんば、舌の爛れんこと何ぞ疑わん。…已今当の妙、茲に於いて固く迷えり。舌、爛れて止まらざるは猶華報為り、謗法の罪苦長劫に流る」
と述べている。
法華経を軽んじて諸経に劣ると誹謗した罪は、現世において舌が爛れるのみでなく、その苦は来世の長い劫にわたるであろう、としている。
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今日は仕事納め、焼肉店で事務所の忘年会でした。