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0186〜0237 開目抄 0203:15〜0204:17
第29章 二乗の法華深恩を論ず
講義
また世に子多しといえども、親の恩を知り親の恩を報ずる者が、幾人あろうか。それも、生きているうちに、恩を報じたような形の者もいくぶんあるであろうが、死んだ親に恩を報ずる者は皆無といってよいであろう。その人々は恩を報ずるのが嫌いなのではなくて、恩を報ずる道を知らないのである。すなわち永遠の生命を知らざるがゆえに、親が黄泉においていかに悩みつつあるかを理解せず、死後の生命の悩みをいかにしたら救い得るかを求めないがゆえである。
生きている間に親に孝行するとしても、その孝行の方法はいかなるものであるかを、現代の人は知る者がごく少ない。すなわち親に衣食を供するを下品の孝となし、親の意に違わざるを中品の孝となし、親に功徳を回向するを上品の孝となすのである。上品の孝とは、三大秘法の真の仏法を知らしめて永遠の幸福を得さしめることで、死後にいたっては、この三大秘法の利益によって冥土へ功徳を回向することである。