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2020.9.26-6(3)

2020年09月26日 (土) 00:13
2020.9.26-

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戦後広島の復興顧問が見た「希望」とは?
――ハーバード大学 モンゴメリー名誉教授との語らい(上)

連載〈扉をひらく 池田先生の対話録?〉第15回

●再会を喜ぶモンゴメリー氏と池田先生(1999年11月、東京牧口記念会館で)。氏はSGIの平和運動を深く信頼していた。「SGIは平和創造の主体者である民衆と共に前進しようとしています。私はこの点に最も大きな期待を寄せています」

何とか、この人たちを励ましたい――青年は声に力を込めた。
 「かつてアメリカの首都ワシントンも、戦争で壊滅しました。それでも再建計画によって、まったく新しい近代都市に生まれ変わったのです」

 その青年の名は、ジョン・モンゴメリー。広島の復興顧問として奔走し、後にハーバード大学ケネディ政治大学院の教授となり、行政学の世界的権威として名声を博す人物である。

「(日本人の)彼らが人間的に練れた丁寧な態度で私に接してくると、私は思わず占領軍代表としての地位から得ていた精神的な優越感などは忘れてしまった」「歴史上最も劇的なかたちで破壊されたこの都市をいかにして再建するかという関心をともに分ちあったのである」(『ヒロシマ・ベトナム・核』)

●被爆者の声に驚く
 モンゴメリー氏が、創価学会、なかんずくその指導者である池田先生に強い好奇心を抱いたのは、1982年6月のことである。

 第2回国連軍縮特別総会に合わせ、学会主催の「現代世界の核の脅威」展がニューヨークの国連本部で開催された。それに伴い、広島・長崎の被爆者、米国の原爆開発者や元軍人によるシンポジウムを開く運びとなり、モンゴメリー氏に声が掛かったのである。

◇◇

 氏は、平和団体だという学会の関係者に厳しい一言を浴びせた。「言っておくが、私は君たちみたいな『平和屋』じゃない」

 当時、氏はハーバード大学の政治学部長。核兵器廃絶への道の険しさを誰よりも知悉していた。まして米ソ対立をはじめ、軍拡へと進む現下の国際政治を考えれば、とうてい楽観視などできない。

 そんな氏にとって、被爆者たちとの語らいは衝撃的だった。

 長崎で被爆したある婦人は、こう真情を打ち明けた。「アメリカの人にも、私らが受けた苦しみを、二度と絶対に味わわせたくなかと。そいだけです!」

 今なお原爆の爪痕に苦しむ被害者の切実な願いである。その婦人は、さらに語気を強めた。

 「池田先生に教わりました。『愚かな指導者の生命にある魔性が、一番悪か』って!」

 氏は驚嘆した。すでに先生の軍縮提言に目を通し、示唆に富む現実的な主張に感銘を受けていた。

 だが何より、その池田先生を慕う被爆者が、憎悪を超えて、人類の融和のために戦っている――。

 「ミスター・イケダとは、どういう人物なんだ」

●火花が散った初会見
 二人の初会見は84年1月14日、新春の都内で実現。モンゴメリー氏が池田先生に問う。

 「池田会長、戦争における勝者と敗者の代償とは何でしょうか」

 日本が築いた戦後の繁栄は“敗北の代償”だといえる。一方、戦勝国アメリカは、膨大な軍事費で苦しんでいた。先生が答える。

 「軍事的なパワーを世界に押しつけても無意味です。いままでと違った、新しい平和と安定の時代をつくらなければいけない」「最大のポイントは、戦争は勝っても負けても、みじめです。決してあってはならない」

 矢継ぎ早に質問する氏と、縦横に応じる池田先生。同席者が口をはさむ間もない火花が散るような問答だった。氏は感慨を深めた。

 「池田会長は現実主義者だ。一つ一つの発言が、しっかりと現状を踏まえている。現実と理想のバランスに優れている」

 その後も、平和提言など池田先生の著作を読み、学会の民衆運動とその理念について考察を深めていく。この初会見から数カ月後、氏は、一つの結論を下した。

 学問は、戦争の違法性を明らかにし、良い政治を生む方法を提示できるだろう。だが、民衆の心を動かすことはできない。また、権力に伴う過ちから、人間自身を守ることもできない――。

 「最高の思想を訴えるために組織化された目覚めた民衆のみが、それをすることができる」「ただ唯一の希望は、池田会長がこれまで多くの所で、常々叫んできた主張に呼応して人々が立ち上がることだ。それは万人を納得させうる平和を求める主張である」と。

いつしかモンゴメリー氏は、ある決意を固めていた。

 “池田会長に、わが大学で講演していただかねばならない”

 こうして80年代から、池田先生をハーバードに招待しようとの機運が高まっていく――。


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