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【大機小機】景気論議にも新常識を
日本経済新聞 朝刊 マーケット総合2(17ページ)
2020/8/8 2:00
政府は2018年10月が景気の山だったと認定した。これによって、12年12月から始まったアベノミクス下での景気上昇期間は71カ月となり、戦後最長(02年2月から08年2月までの73カ月)に僅かに及ばないこととなった。要するに、ここ約1年半は景気が後退していたことになる。
しかし、何か違和感を覚える向きもあるのではないか。それは、我々がいまだに成長率が高い時代の伝統的な景気観にとらわれているからだ。
第1に、そもそも上昇、後退期間を議論することにはあまり意味がない。
第2に、世間一般の「実感」と関連付けることも難しくなっている。
第3に、景気の山谷の認定方法にも議論の余地がある。
ところが今回のコロナショックについては、3月ごろからマイナスの影響が出始め、5月以降は多くの指標が回復し始めている。仮にコロナショック前まで景気の上昇が続いていたとすると、コロナ禍による経済の大きな落ち込みは景気の後退とは認定されなかった可能性さえある。
我々は低成長下の景気論議についての新しい常識を身に付けておく必要がありそうだ。
(隅田川)