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2020.8.8-4(3)

2020年08月07日 (金) 14:58
2020.8.8-4

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春秋
日本経済新聞 朝刊 1面(1ページ)
2020/8/7 2:00
 グーテンベルクの活版印刷技術は教会による知識や情報の独占を崩し、ヨーロッパを近代へ導いた。ジョン・ケリー著「黒死病――ペストの中世史」(野中邦子訳)によれば、技術革新の背景には、ペストの流行があったのだという。人口減少が「発明の母」となった。

▼活版印刷が世に出る15世紀半ばまでの100年間に、欧州は少なくとも30〜40%の人口を失った。労働力の減少は賃金の高騰を招いた。それまでは1冊の本を数人がかりで筆写して作っていたが、労働集約型のやり方では利益が出ない。効率的に本を作りたいというニーズに応えたのが、活字を使う印刷方法だったわけだ。

▼当時の人口減少から生まれた発明は多い。鉱山開発は新式の水力ポンプによって、少人数で深くまで掘れるようになった。船は少ない乗組員で輸送効率を上げる大型化が進んだ。逆境をバネに新たな工夫が出てくる。コロナ禍で業績の落ち込みが激しい企業も、社会の変化をとらえたイノベーションをぜひ起こしてほしい。

▼はっきりしたのは日本のデジタル化が世界のなかで周回遅れなことだ。学校教育も診療も行政の仕事も、オンライン化を進めて便利にする必要がある。感染を防ぐ「非接触型」のサービスや個人の健康管理を後押しするビジネスも、需要はこれから増えるとみられ、知恵の絞りどころだ。発明の母は、無数に転がっている。


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