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2020.8.8-5

2020年08月07日 (金) 12:40
2020.8.8-5

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◎マイ・ヒューマン・レボリューション――
小説「新・人間革命」学習のために 第16巻

<1972年(昭和47年)1月、山本伸一は、第1回全国大学会総会の会場近くで参加者を激励。大学卒業後、2年間信心から離れていた青年であった>

 「すべてのものには使命がある。花は咲くことを使命とし、太陽は輝き、暖かな光を送ることを使命としている。水は流れ、清め、潤すことが、使命といってよい。

「信心を離れて、本当の生命の充実も、歓喜もありません。どんなにお金を稼ごうが、社会的に偉くなろうが、それだけでは、最後に残るのは空しさであり、老いや死に対する不安と恐怖です。生老病死という人間の根本的な苦悩を解決できるのは、仏法しかありません」

●一切をプラスに転ずる哲学

「皆さんは、“今日は大事な記念撮影会なのに雨になってしまった。残念だ”と思われていることでしょう」(中略)

 「いっさいをよい方向に考え、さらに前へ、前へと、進んでいくことが大事です。
 時には、祈っても、思い通りにならない場合もあるかもしれない。でも、それは、必ず何か意味があるんです。最終的には、それでよかったのだと、心の底から、納得できるものなんです」

●「さあ、仕事を続けよう!」

<5月、伸一は、イギリスの歴史学者トインビー博士の要請を受け、博士の自宅で対談を開始。伸一は博士の座右の銘を尋ねる>

 博士は即座に答えた。

 「ラテン語で『ラボレムス』。“さあ、仕事を続けよう”という意味の言葉です」

 博士は、この言葉の背景も語ってくれた。

 ――それは、二世紀末から三世紀初頭のローマ皇帝セプティミウス・セウェルスに由来する箴言である。彼は、遠征先のブリタニア(イギリス南部)で病に倒れた。重病である。皇帝は死期の近いことを悟った。皇帝は、毎日、彼の率いる軍隊に、モットーを与えることを常としていた。そして、まさに死なんとする日も、自らの任務を遂行した。その時、彼が全軍に与えたモットーが「ラボレムス!」(さあ、仕事を続けよう)であった。

 伸一は感嘆した。

 「すばらしいモットーです。短い言葉のなかに責任感や持続の精神が凝結しています。博士の生き方そのもののように思えます」

 彼には、最後の最後まで「ラボレムス!」と叫んだ皇帝の姿と、八十三歳にして、今なお、人類の未来のために働き続けようとする博士の生き方が、完全に重なり合っているように思えた。

 弛まざる前進のなかにこそ、人間性の勝利がある。戦い続けることこそが生の証なのだ。

 伸一は重ねて尋ねた。

 「今、最もなさりたいことは何でしょうか」

 博士は力強く答えた。

 「私とあなたが、今、この部屋でしていることです。この対話が意味するものは、人類全体を一つの家族として結束させる努力です。人類が生存を続けるためには、全人類が単一の大家族になっていかねばならないと、私は信じるからです」

 (「対話」の章、177〜179ページ)

【寸鉄】
宗教は人生の背骨である
―牧口先生。青年よ行学
錬磨に挑み我が境涯開け
     ◇
「子にすぎたる財なし」
御書。未来部は皆、後継の
大人材。共に祈り、成長!
     ◇
各地で天気の変化激しく
大雨等に注意。油断せず
早め早めの避難を心掛け
     ◇
都内で交通事故死が3割
増。速度超過等が原因と。
ルール順守し安全運転を
     ◇
1日8千歩で死亡リスク
半減―米研究。感染予防
継続しつつ賢く健康管理

◎名字の言 
元大関・照ノ富士の復活劇に秘められた師弟のドラマ
 “史上最大の復活劇”に沸いた大相撲の7月場所。返り入幕の元大関・照ノ富士が5年ぶり2度目の優勝を果たした▼「落ちているときも応援してくれた方々に、恩返しがしたかった」。5年前の大関昇進後、照ノ富士は両膝の負傷や内臓疾患などに苦しんだ。「横綱候補」の呼び声が高かったが、序二段まで番付を落とした▼元大関の幕下以下での現役続行は前例がない。照ノ富士は引退を申し出た。だが、伊勢ケ浜親方は慰留し続けた。「序二段で勝つことは恥ずかしいことじゃない」「まず体を治そう」。弟子を思い、復帰を諦めない師匠の度重なる激励に、“もう一度、新弟子の決意でやり直そう”と決め、心身を徹底して鍛え直した。優勝旗は、審判部長の師匠から受け取った▼逆境は、人間の真価を問う試金石でもある。70年前の8月、池田先生は恩師・戸田先生の事業難の打開に奔走する中、日記にこうつづった。「地に依って倒れた者は、地に依って起つ以外ない。この現状を、再起させれば、最大の活躍の証明となる」▼相撲の勝負は、“立ち合いで決まる”といわれる。勇気を奮い起こし、グッと力を込めて踏み出す大切さは、人生も同じだ。その一歩が、かつてのつまずきも「敗北」ではなく、「勝利の因」へと変えていく。(踊)


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