「ガンデイー・魂の言葉」
(浅井幹雄監修/太田出版)を読みました。
珠玉の言葉170編のうち、私が最も心に残った10個を選びました。
それと、本当かどうかは定かではありませんが、たまたまこの本を読んで初めて、え〜と思うようなことがありました。
(1)恐れるな、道はひらける
突然の災難が降りかかったとき、人は恐怖に立ちすくむ。
…
しかし、わたしたちには、
もともと困難を乗り越える力が授けられている。
心の中から、この恐れを追い出せば、その力がよみがえる。
恐れるな、道はひらける。
(2)試練は力をくれる
不幸はわたしたちに与えられた試練である。
この試練を乗り越えたとき、すべてはきっと好転する。
そう信じて、辛抱強く耐え抜こう。耐え抜いたとき、あなたはとてつもない力を手にしていることだろう。
『ビハール・パッテイー・デリー』
1947年7月7日
(3)種は役目を果たし命をつなぐ
豊かな実りのための種、それはいつもわたしたちには見えない。
種は自分の役目を土の下で果たす。
そして、その姿をなくすとき、新しい命の芽が地面から顔を出す。
『ヒンドスワラージ』
(4)物を捨て、豊かになる
持ち物を減らしていくにつれて、自分に必要な物もだんだん減っていく。
それは幸せと自由を得ることでもある。
自らの楽しみのためだけに物をもつより、この身を人のために捧げたほうが、はるかに人生は豊かになる。
『バープー物語』
(5)良きことは、ゆっくりと進む
良きことはカタツムリのように、ゆっくりと進む。
だから、自分のためでなく人々のために働く人は、いたずらに急がない。
なぜなら、人々が良きことを受け入れるには、多くの時間が必要なことを知っているから。
しかし、機械に降り回される現代生活はせわしいものだ。
利己的な悪しきことには、翼が生えている。
家を建てるには、時間がかかるが、
それを破壊するのは、一瞬のことであるように。
『ヒンドスワラージ』
(6)シンプルに暮らそう
必要なものだけを得る、シンプルで簡素な暮らしでいい。
そんな精神をもって働く人々の仕事を評価しないのは、村にとって大いなる損失である。
『南アフリカのインド系移民への手紙』
1914年7月15日
(7)恐れない心を手にいれるためには
人はなぜ心に恐れを抱くのだろうか。
それは、自分の魂の力を、真理の力を信じていないから。
しかし、信じる心は理性の力で得られるものではない。
それは、自分自身のためではなく、他人のために働き続けることで、ゆっくりと自分のものになる。
(8)愛は求めず与えるもの
愛は決して求めることをせず、与えるものである。
愛に悩みはつきものだが、決して怒らず、決して妬んだりしない。
『ガンデイーの言葉集』
(9)心が正しいと思うことから始める
そんなことは、これまでの歴史にはない、だから起こるはずはない。
そう思い込んでいる人は、人間のもつ大きな可能性を見ない人だ。
わたしたちは、まずそんな思い込みから自由になろう。
そして、自分の心が正しいと思うことを、やってみればいい。
『ヒンドスワラージ』
(10)七つの社会的罪
まだ知らない人がいたら、知ってほしいことがある。
現代社会に巣くう七つの大罪とは……。
理念なき政治
労働なき富
良識なき快楽
貢献なき知識
道徳なき商業
人間性なき科学
献身なき信仰
読者はこれを頭ではなく、心に刻みこんでほしい。
こうした罪を決して犯さないためにーー。
「ヤング・インデイア」
1925年10月22日
◎あとがき
(インド中央部にある)ワルダーはまた、昭和8年に、わたしの師である日本山妙法寺の藤井日達聖人が、ガンデイーとあい見(まみ)え、インドの独立と世界の未来のために、不殺生・非暴力の精神文明を築こうと、団扇(うちは)太鼓(だいこ)を打ち「南無妙法蓮華経」をともに唱えられた記念すべき場所でした。
ガンデイーが南無妙法蓮華経を唱え始めたワルダにて……
【感想】
私は (5)の「良きことは、ゆっくりと進む 」が最も心に強烈に残りました。
上海のことで頭がいっぱいですが、良いことをやっているのであれば時間がかかるのは当たり前、あせるな!ということでしょうか。
ちょっと気持ちが楽になりました。
20世紀前半の時代としては相当に先見的な思考に驚かされました。表現も池田先生に似ているような。インドにおいて「ガンジー・キング・池田大作」と言われる意味がなんとなくわかる気がしました。
それと、この本を読んで初めて知ったのですが、池田先生のスピーチでガンジーが「南無妙法蓮華経」を唱えたということを聞いた覚えはありますが、それは66世の日達猊下が若い31歳のときにインドに行ってガンジーを折伏し、共に唱えたということが、本当のことだとしたらすごいことだと心に強く残りました。
仏法西還!!
良きことは
ゆっくりと進む
ガンデイー