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「法華経の智慧」に反響 13言語で発刊
ウクライナ キエフ国立貿易経済大学
アンドレイ・モロゾフ教授が書評
何のために人は生きるのか、この世での使命は何か、敬愛する人との別れや身近な人の死をいかに乗り越えていくか、他者が自殺などの後戻りできない歩みへと向かう前に、どのような言葉を掛けるべきか、幸福や安穏、心の調和を得るには何をすべきか等、ここでは言及しきれないほどの広範なテーマについて語られています。
いにしえの仏教書を丹念に調査し、同時に膨大な量の注釈書や解説書などにも基づきながら、池田氏は私たちにも理解できるように易しく、それでいて極めて深遠なる真理を語っています。
氏は、対極の事象に見える「生」と「死」は、変化をしながら「永遠の生命」のリズムを奏でているのだと訴えます。これは非常に楽観的かつ前向きな思考です。
誰しも「死」について思いを巡らせたことはあるでしょう。本書は、永遠の生命を固く信じて生き抜くことを、私たちに呼び掛けてくれます。
その視座に立ち、苦難や病、死の悲しみを乗り越えようとするとき、私たちには真の同苦の心が生まれ、自身の人間性が深まっていくのです。それが、普遍的な道徳基盤となります。そして、人生の試練に打ち勝っていくことを通して、永遠の生命の壮大さを実感できるのです。
本書を読む人の中には、キリスト教との類似性を見いだす人がいるかもしれません。
●全ての人が偉大で尊い
仏教とキリスト教には多くの共通点が見受けられます。とりわけ倫理的側面や隣人への愛や慈悲を強調している点が挙げられるでしょう。
一方で、キリスト教を含むその他の世界的宗教との相違点もあります。仏教では、最も尊いものや安穏の根源が、超自然的な不死の神のような存在に宿るのではなく、全ての人の胸中にあるとする点です。
つまり、全ては私たち次第ということになります。
いかに多くの人々が、自身の生命という絶対的価値について、そして人間の尊厳について無知でいることでしょうか。いかに頻繁にその無知が、戦争や紛争、暴力や弾圧などを引き起こしていることでしょうか。
池田氏は、全ての人が最も偉大であり、尊い存在であることを認識し、自覚することの大切さを訴えています。こうした仏教の智慧は、人権の重要性をより深く認識するための卓越した精神基盤となり得ます。
日本が生んだ巨匠のこの最高傑作は、全世界の文化界における特筆すべき出来事であり、同時に、本書を読む多くの人々の心に、人間の尊厳性を敬う確固たる精神基盤を築き、人生の転機をもたらしていくことでしょう。
池田氏が語る普遍的世界観は、人々に信じる心と希望、そして慈愛をもたらし、真の「蘇生」と、いまだかつて人類が見たことのない人間主義の夜明けを示しております。
池田氏は、いかなる誇張も抜きにして、全世界におけるヒューマニズムの宣揚と平和構築に、多大な貢献をされている方であると言えるでしょう。