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2020.11.12-5

2020年11月11日 (水) 16:48
2020.11.12

???

春秋
日本経済新聞 朝刊
2020/11/11 2:00
 3年前の秋。東京・代官山で評論家の加藤典洋さんの話を聞く機会があった。戦後を代表する思想家、鶴見俊輔との出会いと別れを語り、その仕事の今日的な意味を考える、というテーマの座談会だった。会場には熱心な読者もいて活発な質疑があったことを思い出す。

▼鶴見は、戦時期に米ハーバード大に留学していた。だが、日米開戦の後、治安当局に無政府主義の敵国人と認定され、身柄を拘束された。雑居房の便器の蓋を机の代わりにして、書きかけの卒業論文を完成させた。大学は教官を留置場に派遣して論文を審査し、学位を与える。米国社会の非情と寛容を胸に刻んだのだった。

▼加藤さんは、鶴見の生きざまを思うとき「ディーセンシー(decency)」という言葉がしっくりくる、と語っていた。米大統領選で勝利を確実にしたバイデン氏、副大統領候補のハリス氏は演説で、米国が取り戻すべき価値として、2人そろってこの言葉を用いた。辞書を引くと「品位」や「良識」といった意味だ。

▼鶴見は著作で、「まともであること」と日本語に訳している。「一九八四年」などで知られるジョージ・オーウェルの作品群にも、この言葉が登場するという。寛容さを排除する世の風潮に対抗する価値観として。まともさを失いつつある世界を泉下の加藤さんならどう評論するのだろう。尋ねてみたい気もするのである。

「ディーセンシー(decency)」
「品位」や「良識」
「まともであること」

寛容さを排除する世の風潮に対抗する価値観

decencyとは
意味・読み方・使い方
de・cen・cy/ dí?snsi / (米国英語)/ ?di:s?nsi: / (英国英語)
主な意味 英会話で使う
(社会的規準からみて)見苦しくないこと,(言動・服装など)きちんとしていること,礼儀正しさ,品位,体面,人並みの生活に必要なもの,礼儀,作法,親切さ,寛大さ

鶴見 俊輔(つるみ しゅんすけ、1922年〈大正11年〉6月25日 - 2015年〈平成27年〉7月20日)は、日本の哲学者、評論家、政治運動家、大衆文化研究者。アメリカのプラグマティズムの日本への紹介者のひとりで、都留重人、丸山眞男らとともに戦後の進歩的文化人を代表する1人とされる。
生誕 1922年6月25日
日本の旗 日本 東京府東京市麻布区
死没 2015年7月20日(93歳没)
京都府京都市左京区
研究分野 哲学
主な概念 アメリカのプラグマティズムを日本に紹介

☆プラグマティズム(英: pragmatism)とは、ドイツ語の「pragmatisch」という言葉に由来する、実用主義、道具主義、実際主義とも訳される考え方。元々は、「経験不可能な事柄の真理を考えることはできない」という点でイギリス経験論を引き継ぎ、概念や認識をそれがもたらす客観的な結果によって科学的に記述しようとする志向を持つ点で従来のヨーロッパの観念論的哲学と一線を画するアメリカ合衆国の哲学である。


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