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2020.11.02-3

2020年11月02日 (月) 00:20
2020.11.02

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〈Seikyo Gift〉 
ローマクラブ共同会長 マンペラ・ランペレ博士
――全ての生命は、等しく尊い

連載企画「私がつくる平和の文化?」インタビュー

●新たな人類文明の鍵は「人間革命」

「黒人意識運動」は、何より私たちの心を覆う「劣等感からの解放」でした。抑圧者に対する恐怖から自由になり、自分たちも尊厳をもった人間であると目覚めることでした。
 それは「人間革命の旅路」でもあります。自分とは何者なのか。何世紀にも、何代にもわたって「劣等な人種だ」と言われ続けてきた人たちが、自分自身をどう見るのか。どのように「人間としての尊厳」を取り戻すのか。自分にひどい扱いをしてきた人間をどう許すのか。ひどい扱いを黙って受け入れてしまった自分をどう許すのか――。
  
 そうした精神闘争の結果、「自分は、どこの誰にも劣らず素晴らしい人間なのだ」と自覚した時、私たちは立ち上がり、叫んだのです。「我らは黒人だ! それを誇りにする!」と。
 「黒人意識運動」とは、まさに「人間革命運動」だったのです。それはまた、白人にも人間革命を促すものでした。自分が他の人間よりも優れ、特別扱いされる存在だと考えることは、間違っているのですから。
 
● ――博士は、ネルソン・マンデラ氏(南アフリカ元大統領)とも深い親交がありました。
   
 マンデラ氏とは幾度も出会いを重ねましたが、まさに「人間革命」の体現者でした。1988年、獄中の氏との初めての出会いでは、彼の人格を彷彿とさせるこんな場面がありました。
  
 彼は、父親のように温かく私を抱擁し、親しく語り合ってくれました。
 面会の時間がまだ10分ほど残っていた時のこと。彼はすっと席を立ち上がりました。「役人たちを待たせてはいけない。分かってくれるね。彼らは寛大にも、私たちに時間をくれました。さあ、そろそろ終わりにしよう」と。そして、私にあいさつした後、看守たちに「終了しました」と丁寧に言葉を掛けたのです。
  
 私はその振る舞いに心から感動しました。彼は看守に敬意を払い、彼らの役割を尊重しつつも、自らを完璧に律し、彼らに命令する機会を与えなかったのです。そんな氏に、看守たちも深い敬意を払っていました。
  
 またマンデラ氏は、よく人の意見を聞く人でした。たとえ相手が言うことに全面的に賛成できなくても、途中で遮ることなく、最後までじっくり話を聞くのです。そして、「このような違った見方もできるのではないですか」と述べるのが常でした。
  
 マンデラ氏の人格は、独房で鍛えられたものです。苦しみは灼熱の炎のように人間を灰にも、鋼にもします。彼は鋼鉄のように強靱な人間へと自らを鍛え上げたのです。また氏は、本当に人々を愛していました。ひとたび会った人の名前は、必ず覚えているのです。彼の強さは、どこまでも温かい人間性に包まれていました。



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