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◎米ハーバード大学で研究室を運営する科学者〈体験プラザ〉
アメリカSGI ダニエル・サンさん
政府系機関から助成金を受給
●博士号を取得後、念願の渡米
1977年、私は3人きょうだいの次男として、インドネシアで生を受けました。
実家は祖父の始めた織物業で成功を収め、父が家業を受け継いでいました。子ども時代は内気な性格でしたが、家庭環境に恵まれ、学ぶことの意義や、懸命に働くことの重要性を教わり、勉強熱心になりました。いつも最上位の成績を取れるわけではなく、自身を卑下することもしばしばでしたが、家族の大きな期待を受け、高い向学心を維持することができました。
高校時代は、オーストラリア南東部のメルボルンで過ごしました。この頃、母が日本人女性の友人から日蓮仏法を紹介され、私も一緒に入会。当時、仏法にはあまり関心を持てませんでしたが、信仰活動を通じ、どんどん強くなっていく母の姿を見たことで、後々、大きな問題に直面した時、仏法を実践することになるのです。
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第1志望は、世界最高峰の名門ハーバード大学メディカルスクール(医科大学院)でした。真剣な唱題を重ね、池田先生の指導を学ぶ中、面接に臨み、自身の熱意を余すことなく伝えることができました。その後、全ての志願先から採用通知を受け、希望通り、ハーバード大学での研究生活を勝ち取ったのです。
●権威ある雑誌に論文が掲載
2007年、アメリカ・ボストンに移住しましたが、能力重視の科学界において、私は神経科学の研究者として、大きな成果を上げなければならないという極度の重圧にさいなまれました。
「博士号は役に立たない」「競争の激しいボストンの学術研究環境では能力不足だ」と、常に自身を信じられず、苦悩していました。
「この研究者は私より若いけれど、私以上に多くの論文を発表し、それらは権威ある雑誌に掲載されている」と、他人と比べては落ち込む日々でした。耐えがたい苦痛が続く中、改めて真剣な仏道修行に挑戦しようと決意したのです。
池田先生の書籍をひもとくと、先生の言葉が心に強く響きました。
先生は、私たち一人一人に仏性が具わっており、それぞれが人生の使命を持っていることを教えられています。どの人も他人の使命を果たすことはできず、他の誰かになろうとしてもなれない――そう心で反すうしながら、日々、題目を唱え抜きました。
SGIの活動にも積極的に参加し、他の男子部メンバーを励ます中、少しずつ自信を取り戻していったのです。
2010年、私はキャリアの転機を迎えます。
私の論文が著名な科学雑誌に掲載され、程なくして、他の雑誌から「概説を書いてもらいたい」と依頼されたのです。
困難を勝ち越えようと、懸命に努力し、御本尊に祈り抜き、先生の指導を学べば、必ず道は開ける。当時は苦闘の連続でしたが、今思えば、それが私の信心を深め、自己不信を乗り越えるバネになったと確信しています。
●挫折、自己不信を乗り越え
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研究生活を振り返ると、最も苦しかったのは、希望や忍耐を持ち続け、仕事の意義を見いだすことでした。研究の現場は失敗の連続。大半の実験はうまくいかず、予期せぬ結果を招きます。何度も研究意欲を失いかけましたが、そのつど、池田先生の力強い励ましやSGIの活動に支えられ、自身の可能性を信じ続けることができたのです。
そして、宿命を使命に転ずるには、人生の困難・試練に勝ち続けることが重要だと学びました。
これからも報恩感謝の思いを決して忘れず、自身の境涯革命に挑戦し続け、研究所を必ず発展させ、多くの人々に希望を届けたいと固く決意しています。