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2020.9.22-6(2)

2020年09月21日 (月) 21:57
2020.9.22-

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◎教育本部の友と語り合う
「感染症を『正しく恐れる』とは」
――青年部と医学者による第11回オンライン会議から?

〈危機の時代を生きる〉
 青年部の代表と公衆衛生等に詳しい医学者らが、教育本部の友と「コロナ禍の中で考える教育の未来」をテーマに語り合った第11回オンライン会議(18日)。20日付2面の?に続いて、今回の?では、“コロナ教育”の在り方などを紹介する。

●思いの違いを認め合い“わが事”と捉える心を育む

◇◇

 7月に一斉登校が開始してからも、感染への不安や体調不良によって、自宅からオンラインで授業に参加する生徒もいましたが、誰一人として非難・中傷を浴びせる生徒はいませんでした。むしろ、画面越しに励ましを送り合う場面も見られ、コロナ禍という試練に立ち向かう中で、生徒同士の心の絆が一段と強く結ばれていると実感します。

 日常生活や学校行事の在り方、クラブ活動における感染防止のためのルールなど、これまでに前例がない“ゼロからの建設”となりますが、常に「『だからこそ』新しい挑戦をしていこう」との言葉を交わしながら、教員と生徒が一体となって検討を重ねています。
  
田村副社会教育部長 現在の教育現場で必要な、互いの思いや考え方の違いを認め合う実践の好例だと思います。
 
菖蒲川新潟大学特任教授 感染症への意識は、東京などの都市部と地方では大きな差があると感じています。感染事例が少ない地方では、まだ実感が乏しく、“自分とは関係ない”と捉えたり、過度に怖がったりということがあるように思えます。

 “コロナ教育”を通して、友達や遠くの人の状況を“ひとごと”ではなく“わが事”として捉え、「正しく恐れる」姿勢を身に付けていくことは、新型コロナウイルスと共存する社会を築いていく上で大切であると実感します。

●子どもは大人の鏡 心掛けるポイント
?感染リスクの判断は個別の状況に応じて
?「今できること」に挑戦する
?自ら考え動く環境を整える

藤原東京医科歯科大学教授 以前、中学生とその保護者を対象に、感染症を「正しく恐れる」ことについて話をさせていただきました。要約すると次の3点になります。
 
 一つ目に「感染の確率を『0』か『100』かの二択で考えない」という点です。少しでも感染のリスクがあると、感染する確率が「100」であるかのように考えてしまいがちです。それによって自身の恐怖心があおられてしまいます。私たちは、感染のリスクと、感染防止のために負うリスクを比較し、個別の状況に応じて意思決定していくことが大切です。
 
 二つ目に「今できることに挑戦しよう」という点です。この半年で、新型コロナウイルスについて、医学的にも、少しずつ分かってきたことがあります。とはいえ、今後については全く予測できず、状況は絶えず変化しています。どうしても「できないこと」が強調されてしまいがちですが、「できること」を見つけ、自分らしい挑戦を重ねていくことが、価値ある日々につながっていきます。
 
 三つ目に「内発的な動機付けにつなげていこう」という点です。新型コロナウイルスは、いまだ経験したことのない感染症であり、「今、なにをすべきか」について誰も明確な答えを持ち合わせていません。子どもにとって、コロナへの対応自体が、問題解決の力を培う学習の機会になっているとも言えます。
 自ら考え、実行していく力が鍛えられていく時期ですから、周囲の大人が温かく見守り、信頼のメッセージを伝え、子どもたちが安心して行動できる環境を整えてあげていただきたいと思います。

◇◇

 子どもたちは、楽しみにしていた行事が中止になったり、友達と遊ぶ時間が減ったり、つらい経験をしています。しかし、その分、「レジリエンス(困難を乗り越える力)」は、どの世代よりも強くなるのではないでしょうか。

◇◇

 子どもは大人の鏡です。大人が過剰に危機感をあおらないことです。不安を抱く子どもに「こうしなさい」「あれはだめ」と言い過ぎると、ますます不安になります。安定して落ち着いた大人が近くにいれば、子どもは心から安心し、変わりゆく状況にも、うまく対応していけるものです。
 
 未曽有の危機といわれるコロナ禍の中で育つ子どもたちだからこそ、将来、世界や地域社会のさまざまな問題を解決していくリーダーに成長してほしいと願っています。


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