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2020.9.20-4(2)

2020年09月19日 (土) 21:43
2020.9.20-

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菅新政権 政策を問う(2)
統治機構改革、デジタル庁を突破口に
日本経済新聞 朝刊 1面(1ページ)
2020/9/19 2:00

 菅義偉首相が唱える「デジタル庁」の創設。目の前の課題を突破口に、縦割り行政の打破につなげる菅流改革の象徴だ。

地域によっては申請から1カ月以上かかった10万円の現金給付手続き、検査後2〜3日たっても全体像が把握できないPCR検査の結果の集約……。官房長官だった菅氏は「なぜこんな当たり前のことができないのか」と何度も嘆いた。

異なる仕様林立

 新型コロナウイルスの感染拡大はデジタル行政の不備を白日の下にさらした――。

 政府がIT(情報技術)基本法を施行したのは2001年。世界最先端のIT国家を目指してから20年近くたつ。にもかかわらず、電子政府の進み具合を示す国連のランキングで日本は14位にとどまる。

 政府のシステムは各省庁がバラバラに発注し、仕様の異なるシステムが林立している。これまで年間1兆円前後にのぼった政府のデジタル関連予算のうち5千億円近くが既存のシステムの維持・更新に消えた。

 役所内のシステム構築を特定のIT企業に依存してきたため乗り換えもしにくい。いわゆる「ベンダーロックイン」のワナから抜け出せない。

 デジタル化の前提となる基礎データの整備も諸外国より圧倒的に劣る。国民の住所記録は原則、各自治体が管理しており、政府が一元的に把握しているわけではない。

◇◇

 行政のデジタル化の遅れは日本社会の生産性を高めるうえで足かせになっている。低成長と生産年齢人口の減少に直面する日本。製造業頼みの成長モデルも陰りがみえる。成長戦略は7年8カ月を超えた長期政権でも描ききれなかった。

開示意識薄く

 日本では政府のデジタル戦略を統括するIT戦略本部に各省庁の予算の使い道を聞いても「細かな点は各省に聞いてほしい」と返されることが多い。情報公開意識の薄い仕組みは予算の無駄遣いを生み、行政の非効率につながる。

 首相はデジタル庁のイメージを「複数の省庁に分かれている関連政策を取りまとめ、強力に進める体制」と説明する。関連施策の司令塔にとどまらず予算の配分方法にまでメスを入れられるか。

 「役所の縦割り、既得権益、あしき前例主義を打破する」。首相は自民党総裁選の論戦を通じてデジタル庁創設を繰り返し唱え、官僚の抵抗に先手を打った。前例に縛られた霞が関の発想の延長線上に大胆な統治機構改革の青写真は描けない。

●「ベンダーロックイン(英: vendor lock-in)」とは、
特定ベンダー(メーカー)の独自技術に大きく依存した製品、サービス、システム等を採用した際に、他ベンダーの提供する同種の製品、サービス、システム等への乗り換えが困難になる現象のこと。

ベンダーロックインに陥った場合、製品、サービス、システム等を調達する際の選択肢が狭められる。価格が高騰してもユーザーはそれを買わざるを得ないため、コストが増大するケースが多い。また、市場の競争による恩恵を十分に受けられない可能性もある。


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