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2020.9.14-6(2)

2020年09月13日 (日) 10:14
2020.9.14-

名字の言 木工芸作家「傷を“木の個性”と捉えて」

 足を踏み入れると、すがすがしい木の匂いに包まれる。創作活動50年となる木工芸作家の個展を訪ねた。歌う女性と音符、勇壮な桜島……。ケヤキやニガキなど、木の特徴を生かした作品群に目を奪われた

▼以前は高品質の屋久杉を使用した作品が主だったが、創作を続ける中で、木と向き合う姿勢が変わったという。“材料に頼らず、見向きもされないような木を、この手で蘇生させたい”と

▼一般的に亀裂や虫食いの穴がある木は、木工芸では不用とされる。だが作家は「そうした傷を“木の個性”と捉えています」。年2回の個展では、必ず新作を発表する。「素材が備える“個性”を、いかに“魅力”に転換していくか。毎回が自分への挑戦です」

▼傷をマイナスと見れば、素材の価値はゼロになる。反対に、傷から“唯一無二の個性”を見いだすことができれば、その素材に新たな可能性が生まれる。物事の価値は捉え方によって大きく異なる。人生に通じる大切な視点だろう

▼御聖訓に「苦楽ともに思い合せて南無妙法蓮華経とうちとなへゐさせ給へ」(御書1143ページ)と。苦しい時も楽しい時も、成長の好機と捉えて挑戦を重ねたい。その前進が自身の胸中に、どんな銘木にも負けない“信念の大木”を育んでいく。(誼)


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