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教学入門 KYOUGAKU NYUUMON
1.日蓮大聖人の御生涯
(4)竜の口の法難と発迹顕本
文永8年(1271年)9月12日、平左衛門尉が武装した兵士を率いて草庵を襲い、大聖人は謀叛人(時の為政者に叛逆する人)のような扱いを受けて捕らえられました。この時、大聖人は、平左衛門尉に向かって「?日本の柱?である日蓮を迫害するなら、必ず自界叛逆・他国侵逼の二難が起こる」と述べて、強く諫暁されました(第2回の国主諫暁)。
大聖人は、夜半に突然、護送され、鎌倉のはずれにある竜の口に連行されました。平左衛門尉らが、内々で大聖人を斬首することを謀っていたのです。しかし、まさに刑が執行されようとしたその時、突然、江ノ島の方から?まり?のような大きな光りものが夜空を北西の方向へと走りました。兵士たちはこれに恐れおののいて、刑の執行は不可能となりました(竜の口の法難)。
この法難は、大聖人御自身にとって極めて重要な意義をもつ出来事でした。すなわち、大聖人は竜の口の法難を勝ち越えた時に、宿業や苦悩を抱えた凡夫という迹(仮の姿)を開いて、凡夫の身に、生命にそなわる本源的な、慈悲と智慧にあふれる仏(久遠元初の自受用報身如来)という本来の境地(本地)を顕されたのです。
これを「発迹顕本(迹を発いて本を顕す)」といいます。
この発迹顕本以後、大聖人は末法の御本仏としての御振る舞いを示されていきます。そして、万人が根本として尊敬し、帰依していくべき御本尊を図顕されていきました。
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0186〜0237 開目抄 0202:01〜0203:09
第27章 経文一一に符合するを明かす
講義
前章で、末法の法華経の行者は大難にあうべき文証を引き、ここでは、その文旨を釈されている。はじめに在世および正像の怨嫉を挙げ、いわんや末法の大怨嫉はさらにはなはだしきを示し、「されば日蓮が法華経の智解は……慈悲のすぐれたる事は・をそれをも・いだきぬべし」と、大聖人の大慈悲、大功徳を挙げて疑いを立てている。千万が一分等とは、一にはご自身を卑下されて天台・伝教を立て、二には慈悲を相対して、大聖人の大慈大悲に天台・伝教の遠くおよばざるを示されている。すなわち法華経を解釈し、法華経を弘通するのは天台・伝教の役目であり、しかも天台・伝教は法華経の最高権威者であって、像法時代にこれを広宣流布させている。さて末法に入ると、法華経はすでに白法隠没して何の効力もなくなる。この時に天台・伝教すら恐れをいだくような、大慈大悲の仏さまが出現する。これすなわち日蓮大聖人である。以上が釈迦仏法の予言であり、しかも日蓮大聖人が現実にこれを証明しているとの意である。これほど秀れた日蓮大聖人がなぜ大難にあうのかと、疑いを強く立てて、法華経の行者であらせられるゆえんを断定されるのである。