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2020.9.10-3(3)

2020年09月09日 (水) 20:52
2020.9.10-

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文化(公明)
ミレーが見つめたもの
貧しくとも大地とともに力強く生きる人々の姿
/山梨県立美術館学芸員・太田智子
2020/09/09 5面

ミレーは作品が政治的な文脈でのみ語られることを不本意としつつも、自分の立場を明言することはなく、描く対象を変えることもなかった。山梨県立美術館には、この《落ち穂拾い》に先立つ《落ち穂拾い、夏》が所蔵されている。1853年に制作された四季の連作の一つであり、ミレーがこの主題を重視し、繰り返し取り組んだことを示す作例である。《落ち穂拾い》の後もミレーの作品はたびたび非難を受けたが、彼が描こうとしたのは、近代社会から取り残されるように大地で働く、身近な人々だった。そのまなざしには、農家の出身という自らの背景もあり、彼らへの共感が含まれていたのだろう。貧しさの中にあっても自然とともに生きる人々の姿は、コロナ後の世界において自然との共存のあり方を問い直されている現代の私たちに深く訴えかけるものがある。そしてまた、数々の作品からは、自分の表現を貫こうとした画家ミレーの強さを感じることができる。(おおた・ともこ)


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