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2020.9.8-3(5)

2020年09月07日 (月) 21:52
2020.9.8-3

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【迫真】コロナ 世界は今(1)
「ただの風邪」市民も同調
日本経済新聞 朝刊
2020/9/7 2:00

ブラジル・リオデジャネイロ。段階的に外出自粛が解け、国際的な観光地であるコパカパーナビーチには水着姿の市民が戻ってきた。近くの高級住宅地、レブロン地区でも歩道に設置したテーブルで飲食を楽しむ姿が見られるようになった。それでも例年に比べれば閑散とした様子に、レブロン地区でバーを経営するフラビオ・サライバは「今の売り上げは昨年の30%がやっとだ」と嘆く。

 新型コロナウイルスの感染者数・死者数とも米国に次ぐ世界2番目のブラジル。1日の新規感染者数は4万人、死者も千人に達する場合も少なくない。感染の収束が見えない中、ブラジルが選択したのは外出制限などの規制強化ではなく、早期の経済再開だった。

 「失業者の増加は不景気をもたらし、最後は病気や死へと導く」。大統領のジャイル・ボルソナロは8月13日、北部ベレンで経済再開の重要性を再び訴えた。リオデジャネイロやサンパウロなどで州知事が外出規制などに乗り出した際も、規制に反対し、経済再開を求めるデモを呼びかけた。

□   □

 ブラジルが各地で次々と経済再開にかじを切っている背景にあるのは貧困だ。国連によると貧困率は全国平均で19%を超え、地方では30%に達する。補償のない、その日暮らしの仕事に就く人が多いため、外出規制が続けば、収入が途絶え生活できない。

 「深夜まで営業しています」――。南米最大の都市サンパウロ。飲食店の営業は再開を許されたが午後10時までだ。終了時刻を前に続々とシャッターが下ろされるが、ネット上には深夜、未明まで営業する店の情報があふれる。深夜まで営業している飲食店オーナーの一人は「州政府の命令通り営業をやめても感染は止まらなかった。ボルソナロが正しい」。

◇◇

 調査会社ダタフォリャが8月13日に発表した最新の世論調査では、ボルソナロの支持率は37%と2019年1月の就任以来の最高を記録し、不支持の34%を上回った。6月の前回調査から支持率は5ポイント上昇した一方、不支持は10ポイント低下した。感染拡大が続く中、新型コロナを「ただの風邪」と呼んで軽視するボルソナロの評価はむしろ高まっている。

 ボルソナロの人気が高まっている背景には、国民の新型コロナへの危機感が薄くなってきたこともある。富裕層や中間層が多い都市部はすでに感染ピークを脱しつつある。富裕層向け私立病院は、感染者向けの病床を減らし始めていることもあり、中間層以上は感染が拡大し始めた頃より緊張が緩んでいる。

 地元有力紙エスタド・ジ・サンパウロによるとブラジルでは殺人事件の被害者を含めて毎日、約3千人が死ぬとされる。「ブラジル人は多くの死者になれきっている」。サンパウロ大教授のダニエル・マルチンスは同紙にこう寄せた。新型コロナによる1日千人という死者数でも国民に大きな関心はない。


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