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◎菅氏、中小再編促す 法改正検討
競争力強化に照準 生産拠点「分散進める」
日本経済新聞 朝刊 総合2(3ページ)
2020/9/6 2:00
中小企業については「足腰を強くしないと立ちゆかなくなってしまう」と訴えた。
日本の中小企業は現在、小規模事業者を含め約358万社あり、企業全体の99.7%を占める。
中小企業白書によると従業員1人あたりの付加価値額を示す「労働生産性」の中央値は大企業の585万円に比べ、中規模企業は326万円、小規模企業は174万円にとどまる。企業規模が小さくなればなるほど生産性が下がる傾向がある。
日本生産性本部の調べでは日本の労働生産性は主要7カ国(G7)中、最も低く、米国と比べると約6割の水準にとどまる。経済協力開発機構(OECD)加盟国36カ国中でも21位と低迷する。中小企業の低生産性が日本経済の効率化の足かせとなっているといえる。
少子高齢化により労働力はこの先、急速に低下する見通しだ。中小をテコ入れしなければ「地方の再生」といった目標も実現が難しくなる。
菅氏は「中小の再編を必要であればできるような形にしたい」と語る。合併などで企業規模を大きくすれば経営の効率化や生産性の向上、研究開発や投資の拡大などが図りやすくなる。一方、中小企業であることで税制優遇や補助金などが受けやすい面もある。
中小企業基本法は資本金または従業員数で大企業か中小かを区別する。従業員で見ると製造業は300人以下、卸売業・サービス業は100人以下、小売業は50人以下がそれぞれ中小に分類される。中小への手厚い優遇措置を受けるためあえて資本金や従業員数を増やさない例もあった。
菅氏は小規模の利点を生んでいた同法の区分要件の改正を念頭に置く。従業員数の引き上げや資本金の撤廃などが選択肢になる。