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2020.8.24-5(5)

2020年08月23日 (日) 20:40
2020.8.24-

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【風見鶏】中国共産党員の「秘密」
日本経済新聞 朝刊 総合3(5ページ)
2020/8/23 2:00
 
  「1921年の結党から99年、絶えず自己革新を続け『為人民服務(人民に奉仕する)』という目的のために戦ってきたのが中国共産党の歴史です」

 彼は党が人びとの支持を勝ち取れた理由をえんえんと述べ、次のように締めくくった。「私は誇りをもって中国共産党が世界で唯一、人民を代表する政党だと言えます」

◇◇

 習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)を頂点とする中国共産党は、2019年末時点でおよそ9200万人の党員を抱える。ドイツの人口を軽く超す世界最大の政党だ。

 それでも、14億の人口に占める割合は6%ほどにすぎない。党員は中国社会のエリートだ。

 中国の政治を独占する彼ら彼女らは、どのように選ばれるのか。党の憲法にあたる党規約などに、細かな決まりが記されている。

 入党を希望する人はまず「紹介人」になってくれる党員を探さなければならない。2人の紹介人を見つけてはじめて入党申請が許され、審査が始まる。

 半年から1年で最初の関門が訪れる。有力な党員候補である「入党積極分子」の選抜だ。2人に1人がはじかれ、残った人は1年にわたって党規約などを学ぶ活動に参加する。

 そこですぐれた成績を収めた者だけが「予備党員」に選ばれる。正式な党員として認められるのは、さらにその1年後だ。

 19年末時点で入党申請者は約1900万人いる。新たな党員は1年で234万人しか増えていないので、申請者のうち入党できたのはざっと8人に1人ほどだった計算になる。

 12年秋に党のトップに就いた習氏は「党員の質を高める」と繰り返してきた。審査の厳格化で新たな入党者は以前より減っている。党に少しでも疑問を抱くような人物が入り込む余地はもはやない。

◇◇
 
 党員にとって、党への忠誠を誓う最も重要な儀式がある。予備党員に昇格する際に臨む入党式だ。

 党旗の前に立ち、右手の拳を肩の上にあげる。そして党規約にある「誓詞」を暗唱する。

 「私は中国共産党に志願して参加し……」に始まり「……永遠に党に背かない」で終わるそのせりふの途中には、どうしても引っかかる一節がある。「党の秘密を守る」だ。

 湖北省武漢市の医師、李文亮氏が昨年末に新型コロナウイルスの脅威をSNS(交流サイト)で警告し、公安から処分を受けた一件を思い出した。

 党員だった彼がとがめられたのは「党の秘密」を暴いたからか。新型コロナに自ら感染して2月に亡くなったとき、そう思わずにいられなかった。

 日本の世論は、中国共産党にかつてない厳しい視線を向ける。

 菅義偉官房長官は今月半ば、香港情勢に「重大な懸念」を表明した。自民党内では、延期になった習氏の訪日を中止するよう求める声が強まる。

 日中関係の潮目が変わってきた。中国共産党への不信は、突き詰めれば言論や報道の自由を認めないその秘密主義に行きつく。

 民主主義を掲げる私たちと中国共産党を隔てる壁は、あまりにも高い。

(中国総局長 高橋哲史)


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