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商業地の固定資産税上げず 甘利・自民税調会長
来年度税制改正、DXも後押し 消費減税には反対
日本経済新聞 朝刊 1面(1ページ)
2020/8/14 2:00
固定資産税は土地や建物などにかかり、市町村に納める地方税だ。土地の場合前の年の1月1日の公示地価をベースに評価額を決めて税率1.4%をかけて算出する。評価は3年ごとに修正し、21年度から新しい公示地価を適用する予定だ。
甘利氏は「(評価額の)見直しの起点は1月1日だ。その後、経済は落ちた」と話す。今年1月は新型コロナの感染拡大前だった。
民間の試算では20年の全国の商業地の公示地価は17年から平均8%上がった。東京近郊で公示地価が2割強上がったある小規模オフィスビルの場合、土地部分の固定資産税は200万円程度から300万円程度に上がるという。
ニセコがある北海道倶知安町の商業地は3年で3.4倍になった。新型コロナで観光客が減り経済状況は厳しい上、このままでは21年度は上昇した公示地価に基づいた税額を納めることになる。
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甘利氏は「企業の支払い能力が落ちているのに増税はどうか。検討した方がいい。(対象は)商業地だ」と語った。商業地に限り今年1月の公示地価を適用せず、17年の公示地価で算出する措置などを議論する。税収増がなくなる地方自治体に補填はしない方向だ。
甘利氏は消費税の税率引き下げには反対した。「社会保障とひも付き、社会の安定要因になっている税だ。政策ツールに使うべきでない」と述べた。「消費喚起は給付の方が始めやすいし、やめやすい」と強調した。
法人税には「国際水準に近い税率だ。下げ合戦は誰も幸せにならない」と、引き下げに否定的な見解を示した。財政再建に関して尋ねると「もうちょっと落ち着いたときの議論だ」と答えた。
甘利氏は米中対立に言及し「同盟国間でサプライチェーン(供給網)を組む考え方が急激に出ている」と指摘した。「日本企業はサイバーセキュリティーの意識が低く、供給網から外されるリスクがある」と訴え、情報漏洩を防ぐ投資を促す税制改正に意欲をみせた。
DXを巡っては「DXを通じて経済活動の減衰をどれだけ抑えられるかだ」と話した。部局ごとに異なるシステムを導入する企業もある。「全体最適のデジタル化に誘導する」と優遇税制を議論する方針を表明した。
自動車産業に関しては「体力と販売を回復させるのを第一に」と強調した。21年度改正ではエコカー減税の対象を絞り込む案があったが、現行の減税措置を維持すべきだと唱えた。