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「正しく恐れて」前へ
重症者率、第1波の5分の1
日本経済新聞 朝刊 コロナ特集(7ページ)
2020/8/14 2:00
日本の感染再拡大のペースは、世界的には依然として緩やかだ。直近1週間(8月4〜10日)の人口10万人あたりの新規感染者数は約7人にとどまる。100人以上が感染するブラジルや米国のおよそ20分の1の水準だ。
「第1波」となった今春は、医療崩壊につながりかねない重症患者が急増した。5月初旬には患者全体に占める重症患者の比率が5%台に達した。一方、感染再拡大が始まった7月以降の1カ月間の重症患者比率は1%台にとどまる。
重症化しにくい若者の感染者が増えたことが理由の一つだ。第1波では3割強だった20〜30代の割合は6月下旬以降、6割近くまで上昇した。これに対して60代以上の割合は3割強から1割まで減っている。
しかし、8月に入ってから重症患者の数がじわりと増え始めている。東京都の重症患者は20人前後であまり増えていないが、全国ベースでは80人から200人近くまで約2倍に増えた。地方都市での増加が目立つ。さらに、若者中心の感染が高齢者を巻き込んだものになると、重症患者や死者が増える恐れが出てくる。