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【FINANCIAL TIMES】英国に分裂の不安再び
英ポリティカル・コメンテーター ロバート・シュリムズリー
日本経済新聞 朝刊 オピニオン(6ページ)
ジョンソン英首相は後世には何で知られることになるのだろうか。当初はブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)であるように思えた。最近は、新型コロナウイルスへの対応に苦慮した「パンデミック首相」になるようにみえた。ところが、首相就任から1年たった現在、英国という「連合王国」を分裂に導いた指導者として名を残すのではないかという不安が漂いはじめている。
連合への帰属を望む反独立派にとっても、ジョンソン氏は「スコットランド人にとって救いがたいほど有害」な存在だ。ある有力な反独立派は「現状を悲観している。唯一楽観的になれるのは、ロンドンの人がスコットランド離脱への不安を募らせ、内閣府が関与しつつあることだけだ」と指摘する。一方で独立強硬派は今、スコットランドの複雑な選挙制度を利用して独立派の票を最大化するために新党を立ち上げている。
政府トップのスコットランド人議員で、英連合の構造問題を担当するゴーブ内閣府担当相は、2年間も遅々として進まなかった英国・スコットランド政府間関係の見直し作業を加速させた。地方政権と英国との関係は、植民地と本土のような前時代的な考えに基づいており、再考は必須だ。元首相官邸スタッフは「官公庁もスコットランドとウェールズの行政府首相のことを地方の市長のように扱うことが多すぎる」と指摘する。EU離脱後の英国内市場に関して政府が16日に発表した計画がその典型例だ。この計画を、スタージョン氏もウェールズ行政府のドレイクフォード首相も発表の朝まで見ていなかった。英国の閣僚らは、SNPが初期の交渉で席を立ったと反論している。