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【大機小機】変われる会社が買われる会社
日本経済新聞 朝刊 マーケット総合2(17ページ)
2020/7/29 2:00
7月に入り世界のM&A(合併・買収)市場の潮流が静から動へ一変した。その象徴が、週初に大型案件が公表される「マージャーマンデー(合併の月曜日)」の復活だ。
アナログ社はコロナ後にITの社会実装が急激に進むと踏み、シェブロンは買収先の株価がコロナ前の半値になったところを見逃さなかった。
以前小欄で、優れた企業のキーワードは「し・な・や・か・な会社」だと書いた。消費者目線の「し」。なくてはならない会社の「な」は、圧倒的シェアや消費者に物語を提供できる会社だ。オープンイノベーションで役割分担がうまい会社の「や」、「か」は事業環境に応じた変わり身の早さ、「な」は長く稼げる安定収益モデルを持つ会社を指す。
このうち今、圧倒的に重要なのは「か」だ。コロナ禍は幸か不幸か、日本に澱(おり)のようにたまっていた過剰な規制や古い商慣習、昭和スタイルの雇用制度を押し流す。企業にとっては能動的に自らを作りかえる千載一遇のチャンスでもある。
日本では上場企業の4〜6月期決算発表が始まった。ここまで防戦一方で籠城を続けてきたか、変身へ牙を研いでいたか、両者の違いがはっきり表れるタイミングだ。過剰流動性に守られ「変わらなくても、そこそこ株が買われてきた」企業には市場の厳しい評価が待っている。ここから先は「変われる会社が、買われる会社」だ。