〈「人類の議会」と歩む SGI国連事務所リポート〉?
「民衆の声」を届ける
桜井浩行所長
SGI国連事務所は、国連本部があるアメリカ・ニューヨークと、国連欧州本部があるスイス・ジュネーブにオフィスを構えています。
少数精鋭の陣容で、学会本部と連携を密に取りながら、平和軍縮、持続可能な開発、人権教育、ジェンダー、気候変動などの分野を中心に取り組んでいます。
池田先生は国連に対して、「人間の顔をした国連」「民衆の声が届く国連」等のビジョンを示され、国連強化のための具体的な方途を提唱してこられました。2006年には、チョウドリ国連事務次長(当時)との会見の場で、国連提言を発表。「あらゆる次元で国家の主権を超えて、人類は、国連を守り支える道を選ばなければならない」と力強く訴えられました。
先生の構想のもと、SGIは長年、国連での活動に取り組んできました。先生が「SGIの日」記念提言の発表を開始された1983年には、国連経済社会理事会の「協議資格」を持つNGO(非政府組織)として登録されました。
国連での市民社会の役割は高まっており、その協議資格を有するNGOは、国連での会議に参加し、発言や文書の提出等の機会を与えられます。この資格のもとでSGIの活動の幅は広がり、97年にはニューヨークとジュネーブに連絡所を設置。そして、SGI発足40周年の2015年1月26日、SGI国連事務所として出発しました。
●アメリカ・ニューヨークの国連本部。SGI国連事務所はここから徒歩圏内にある
池田先生が訴えてこられた青年と女性の役割は、近年、国連でその重要性への認識が高まっているテーマです。女性平和委員会や青年部による平和運動の貢献を、国連に届けることができるのは大きな喜びであり、先生の先見性に心から感謝しています。
また、教育こそ総仕上げの事業であるとの先生の信条のもと、人権や持続可能な開発、世界市民教育の大切さを宣揚し、SGIが世界各地で展開する意識啓発の活動を紹介してきました。
国連は本年、創設75周年を迎えます。コロナ禍により、全ての会議がオンラインとなり、多くの議論に、ニューノーマル(新常態)やビルド・バック・ベター(より良い復興)という観点が反映されています。「誰も置き去りにしない」との精神のままに、人類の議会・国連の前進に貢献してまいります。