◎池田先生の会長就任60周年
「記念映像上映会」を各地で開催
●恩師の遺言“一歩も退くな!”
1960年(昭和35年)5月3日、東京・両国の日大講堂――。
恩師・戸田先生が逝いて2年。全学会員が待ちに待ったその日が訪れた。
初夏の陽気に包まれる中、全国の代表約2万人が集い、池田先生の第3代会長就任式が挙行されたのである。
「若輩ではございますが、本日より、戸田門下生を代表して、化儀の広宣流布を目指し、一歩前進への指揮を執らせていただきます!」
青年会長による広布誓願の大師子吼。瞬間、大鉄傘を揺るがす雷鳴のような拍手が沸き上がった。
先生は続けた。“恩師の七回忌までに、300万世帯を成し遂げたい”と。
そして、学会歌「威風堂々の歌」が響き渡り、歴史的な式典は幕を閉じた。
以来、池田先生は全国・全世界を駆け巡り、折伏の大旋風を起こした。池田門下の弟子たちは「一歩前進」を合言葉に、師弟共戦の闘争で続いた。
62年(同37年)11月、学会は目標を上回るスピードで300万世帯の弘教を成就。会長就任10周年を迎える70年(同45年)1月には、755万7777世帯に。恩師の時代の実に10倍の陣容へと発展を遂げた。
同年4月、戸田先生の十三回忌法要で、池田先生は「750万世帯の達成」を恩師に報告。“「一歩も退くな!」との戸田先生の遺言を強く胸に刻み、勇気凜々、再びの前進を”と訴えた。
本年は、池田先生の会長就任から60周年の大佳節。“恩師への誓いを果たさん”と決然と立ち上がった先生の闘争に連なり、今再び、我ら池田門下の師弟誓願の大行進を開始する時である。
民衆の幸福と安穏のために! 世界の平和と前進のために!
「戸田先生の不二の弟子として、報恩の誠を貫かれる池田先生の姿を拝見しました。先生が60年間、どのような思いで戦い抜いてこられたのかに接し、“弟子のあるべき姿”を学びました。私も池田門下生として、師弟不二の心で勝利の旗を打ち立てます」(壮年部)
「池田先生の命懸けの闘争に、熱いものが込み上げてきました。特に、恩師の十三回忌法要の場面での、先生の“師を思う弟子の一念”に触れ、胸を打たれました。どんな困難な状況でも、常に心に師匠を抱き、『一歩前進』していきます」(女子部)
◎記念映像上映会での原田会長の指導
人間革命の劇を師と不二の心で 新しい生活様式の中で新しい広布の活動へ
感染状況を注視しながらの活動再開となりますが、これからも、「さきざきよりも百千万億倍・御用心あるべし」(御書1169ページ)の御金言の通り、信心しているからこその聡明さで、ともどもに無事故と健康に細心の注意を払い、新しい生活様式の中での、新しい広布の活動に、仲良く、また、たくましく取り組んでまいりたいと思います。
一、さて、これからご覧いただく記念映像では、1960年5月3日の池田先生の会長就任式、その前後の広布史が描かれています。
「わが運命 かくもあるかと 決意せば 惑うことなし 恐れることなし」
これは、先生が第3代会長に就任されるにあたっての真情をお詠みになり、ずっと執務室に掲げてこられたお歌です。
池田先生が、どのような決意で戸田先生から妙法の松明を受け継ぎ、この60年、どのような覚悟で広布の指揮を執り続けてこられたのか。学会創立90周年を迎える本年の「11・18」へ、さらには創立100周年の2030年へ、今、再びの前進を開始するにあたり、私どもは、先生のお心を学び、先生の心を心としてまいりたい。
一、池田先生は小説『人間革命』で、師弟の真髄について、次のように記されました。
「師の意図するところが、現実に現れるか、現れないかは、弟子の実践の姿を見れば容易に判断のつくことである。師の意図が、脈動となって弟子の五体をめぐり、それが自発能動の実践の姿をとる時、初めて師弟不二の道を、かろうじて全うすることができる。師弟に通い合う生命の脈動こそ、不二たらしめる原動力である」
「多くの弟子たちは、その困難さを避ける。師の意図に背く考えは、さらさらないものの、師の意図を、ただ教条的にしか理解しない」
「直面した現実を特殊な事態ととらえ、信心という根本を忘れ、浅薄な世間智を働かせて現実に対応しようと焦る。ここに至って、師弟の脈動が断たれていることに気がつかない」――このように「単なる師弟の道」と深淵なる「師弟不二の道」の決定的な違いを教えてくださいました。
かつてない困難に直面した今こそ、「単なる師弟の道」をゆくのか、それとも「師弟不二の大道」を歩み抜くのか。一人一人が自身を見つめ、自身に問い掛けながら、新たな挑戦を開始してまいりたい。
そして、師弟が脈動する、我ら池田門下の祈りで、智慧で、実践で、必ずや一国の宿命の転換を成し遂げ、さらには全人類の宿命の転換をも可能にする、壮大なる「人間革命」のドラマを、ともどもにつづりゆこうではありませんか。
◎不撓不屈の九州家族の絆
豪雨災害の被災地で全力の励まし続く
リーダーが被災者のもとに かたし隊も奮闘
福岡・筑後総県の田中総合長(右端)が、松見さん(左端)が語る被災状況に耳を傾ける(12日、久留米市内で)
福岡・筑後総県の田中総県総合長は同日、久留米市城島町でかまぼこ製造業を営む松見哲生さん(壮年部員)を訪ねた。
同市では、山ノ井川などが氾濫し、松見さんの工場も被災。出荷予定だった、ちくわやかまぼこなどが水没した。製造機器も漬かり、重い荷物を載せたベニヤ板まで水に流された。
「70年以上続く家業も、自分の代で終わりか……」。不安に押しつぶされそうになりながらも、妻の久美子さん(地区副婦人部長)ら家族と共に、思いをぶつけるように唱題した。
“負けてたまるか”と闘志を湧き立たせ、機器を分解して洗浄。すると、もう駄目かと思った機器が動き始めたのだった。
田中総合長は、松見さん一家をいたわり、「乗り越えられない難など、断じてありません。心一つに復興へ、新たな歩みを始めましょう」と励ました。