第3回 日本政治の行方 石破茂元自民党幹事長
米中二者択一ではない
日本の最大の課題は人口減少だ。高齢化に伴って介護などにもカネがかかる。それを支えていくため、いかに国内総生産(GDP)を維持するか、真剣に考えていかねばならない。
戦後の豊かな日本を可能にした人口増加や東京一極集中に限界が来た。新型コロナは日本が向き合うべき問題を気づかせた。首都直下地震や大水害は必ず来る。災害に強い国家であるかが問われる。
新たな同盟の形も作っていかねばならない。日本は日米同盟を取るか中国を取るかの二者択一の立場にない。米国との関係はディール(取引)ではなくより対等なものにすべきだ。サステナブル(持続可能)でインディペンデント(独立)な国家にせねばならない。
中国は豊かになればやがて民主的な国になると言われてきたが全然そうではなかった。香港への対応を見てもそうだ。おそらく中国は物事の考え方の基本が大きく違う。領土や人権をきちんと守る覚悟と矜持(きょうじ)が必要だ。
誰が首相になっても一部の人のためであってはならない。すべての人のための権力だ。反対党の人にも納得はしてもらえと教わった。誠心誠意お願いして理解を求める政治のスタイルで、すべての人の融和を図り共感を得ていきたい。