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2020.7.9-4

2020年07月08日 (水) 16:21
2020.7.9-4

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【FINANCIAL TIMES】ロシアに希望はあるか
ヨーロッパ・エディター トニー・バーバー

 1977年、ソ連は「ブレジネフ憲法」と呼ばれる新憲法を発布した。その前文では「プロレタリア独裁」の段階はすでに終了し、一党独裁国家が今や「全人民の国家」になったと高らかにうたい上げた。そうすることで、ソ連が国家として抱いていた幻想が現実とはほど遠かったにもかかわらず、それを憲法として正式に追認することとなった。その幻想とはブレジネフ書記長や当時の共産党指導部がソ連について抱いた理想であり、一般市民の知る真実とは大きな隔たりがあった。

 意図的ではなかったのかもしれないが、プーチン大統領もブレジネフ氏とまさに同じ事をしたといえる。93年に制定されたロシア憲法の200項目以上を改正することへの賛否を一括で問う国民投票を仕掛けたのだ。この憲法改正案はクレムリン(ロシア大統領府)が1週間、派手なイベントをいくつも繰り広げながら実施し、1日に賛成多数で承認された。

 こうした一連の手続きはロシアが近代的で法の支配を尊重する国家であるかのような幻想を抱かせる。だが、77年のブレジネフ憲法がソ連国民の実感から乖離(かいり)していたのと同じように、今回改正された憲法もロシアの現実からかけ離れている。

☆そうだったんだ??

 国民投票の公式集計によると、賛成票は約78%に上った。だが、反プーチン派は投票にいくつも疑わしい点があったと指摘する。有権者は政府の大々的なプロパガンダにあおられ、クレムリンの指図通りに行動するよう圧力をかけられる一方、賞品が当たるくじ引き大会や大道芸人のショーなど政府の策術に惑わされ、投票所へ足を運ぶよう仕向けられたという。

もっとも、すべてがプーチン氏の思惑通りに運んだというわけでもない。どうやらモスクワとサンクトペテルブルクでは、憲法改正への賛成が過半数に満たなかったもようだ。この二大都市は帝政ロシア時代や共産党政権時代にも多くの反体制派を生み出してきた。それは現在も変わることなく「プーチン主義」に批判的な中産階級のよりどころとなっている。

 物心ついてからプーチン氏以外の指導者を知らない若い世代も国民投票のキャンペーン期間中、公然と不穏な動きを見せた。ユーチューブに有名人のインタビュー動画を投稿して人気を集めるユーリ・ドゥド氏(33)は、国民投票について「恥ずべきことだ」とインスタグラムに投稿し、100万件を超す「いいね!」を集めた。

その結果、1964年から82年まで18年間続いたブレジネフ政権の末期と重なるかのように、プーチン氏主導の政策は行き詰まり、政権維持のために中身のない政治的な儀式にばかり熱を上げているように映る。

 しかも、両者の類似点はそこにとどまらないようだ。憲法改正案が承認されたことで、プーチン氏は2036年まで大統領の座に居座れるようになった。退任の期限を迎える時には80歳代前半となり、ブレジネフ氏が在職中に死去した時の年齢を少しばかり上回ることになる。

 もちろん、プーチン氏が任期途中で自ら身を引く可能性はある。とはいえ、茶番劇のような国民投票を見た後ではプーチン氏の擁護派でさえ、ロシアの未来には希望があるし彼はうまくやるはずだと言い張るのは難しいだろう。


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