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2020.7.9-3

2020年07月08日 (水) 16:21
2020.7.9-3

◎春秋(日経)

古代ギリシャの盟主アテナイはスパルタとの開戦翌年の紀元前430年、疫病に見舞われた。歴史家トゥキュディデスは「戦史」のなかで、そのときの病状の経過について書いている。患者の観察に加え、自分がかかった経験ももとにした描写というだけあって克明だ。

▼突然、頭部が発熱し目は充血。続いて咽頭が痛み声はしわがれ、苦痛は胸部へ。皮膚は赤みを帯びた鉛色を呈し、体が熱く裸になるほかない……。詳しく記したのは今後の備えに役立ててもらうためだ。「またいつなんどき病魔が襲っても、症状の経過さえよく知っていれば誤診をふせぐよすがにもなろう」(久保正彰訳)


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