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2020.7.8-4

2020年07月08日 (水) 00:24
2020.7.8-4

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【Deep Insight】米国覆う「トランプ疲れ」

党派を超えて米国民が祝う4日の独立記念日を、トランプ米大統領は事実上の選挙演説の舞台にした。「彫像を倒し、歴史を消し、自由を踏みにじる暴徒を決して許さない」。ホワイトハウスの招待客に愛国主義を喚起し、左派や中国、批判的なメディアをこき下ろし、新型コロナウイルスへの米政府の対応を手放しで自賛した。

政権3年半のどん底だった6月の鬱憤がにじむ。白人警官の黒人暴行死事件で広がった抗議デモを力で伏せる姿勢は不評だった。コロナの感染増を「検査が増えたからだ」とする強弁も批判された。6月20日の選挙集会は会場が3分の1しか埋まらず、帰宅したトランプ氏はネクタイをほどき疲労した姿をさらした。

本人だけではない。「トランプ疲れ」は米国を覆う。政権の打つ手は次々と裏目に出ている。

「トランプ大統領が着ければ、マスクを巡る政治論争から逃れられる」。共和党のアレクサンダー上院議員は大統領に異例の呼び掛けをした。マスクを拒めば親トランプ、着ければ反トランプ。コロナの脅威をよそに不毛な対立が続く現実を危惧したのだ。「人と距離がとれなければ、もちろんマスクをする」と、トランプ氏も保守系テレビで渋々と認めた。

人種差別の解消を求める抗議デモを敵視する姿勢にも疑問の声が上がる。白人至上主義を連想させる「ホワイト・パワー」の言葉をデモ隊に浴びせる支持者の映像を「ありがとう」とリツイートしたトランプ大統領に、普段は親しい黒人のスコット共和党上院議員が「ひどい話だ」と反発して、リツイートは削除された。

保守系判事を送り込みながら移民問題やLGBT(性的少数者)差別で政権の意に反する判決を出す連邦最高裁判所。連邦軍をデモ排除に動員する方針に異を唱えたエスパー国防長官。極めつきはボルトン前大統領補佐官の在任1年半の回顧録だ。中国に農産品の輸入増を求めるなど「自らの再選が全てに優先する」という痛烈な批判が政権のきしみを印象づけた。

再選を目指す大統領はメディアの露出も多く、業績を評価される「現職のボーナス」が伴う。ところが守勢に回ったトランプ氏は次々と対応の拙さを露呈し「現職のオーナス(重荷)」を抱えた。

11月の大統領選挙まで4カ月を切った。野党・民主党のバイデン前副大統領は最近の世論調査で、トランプ大統領との支持率の差を10ポイント前後に広げている。勝敗を分ける中西部や南部の激戦州でもバイデン氏が僅差の優位に立つ。

「現時点ではバイデン氏は4年前のクリントン氏よりいい位置にいる。トランプ氏は固い支持基盤だった非大卒の白人やキリスト教福音派に支持の離反がみられる」と同大学のカイル・コンディック氏は説明する。「彼らは最後に支持に回帰する可能性はある。だが、それでは足りない。相当な浮動層の上積みが必要だ」

トランプ氏と親しい共和党のクリスティー前ニュージャージー州知事は米テレビで「何を議論し、どう米国民に訴えるのか。路線を転換しなければ、彼は負ける」と陣営に強い警告を発した。

もちろん残り4カ月弱でどんな展開も起こりうる。最大の変動要因はバイデン氏自身のパフォーマンスだ。コロナ禍の間、塹壕(ざんごう)にこもるように大統領の失策を誘う戦略は成功を収めた。これからは別だ。8月に女性の副大統領候補を決め、コロナ収束と経済再生、分断の修復へ何をするかを表舞台で競わねばならない。

トランプ氏は死力を尽くし、討論会などで77歳のバイデン氏の「不適格」ぶりをさらけだそうとするだろう。一方で自らの強みとする経済で、コロナ後の成果を最大限に吹聴する。増税や規制強化など民主党の公約に対する猛烈な攻撃も忘れまい。

バイデン氏の先行はトランプ氏再選という「4年前を上回る番狂わせ」(コンディック氏)に転じるのか。100年に一度の疫病と不況に悩む米国で、相手の失策を誘いだそうとする死闘が本格的に始まる。


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