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◎強権中国と世界(上) 民主主義への挑戦状
法施行を前に、香港ではフェイスブックなどSNS(交流サイト)から自らのアカウントを削除する市民が相次いだ。中国政府を批判した過去の投稿が問題視され、当局に逮捕される可能性があるとの不安が広がったためだ。20代後半の高校教師は「オンライン上の『友達』に売られかねない」と打ち明ける。
◎【FINANCIAL TIMES】米 さまよう南軍の亡霊
ワシントン・コメンテーター エドワード・ルース
南部連合の敗北から1世紀半以上たった今、「ヤンキー(北軍)」の大統領が敗れた南軍のために立ち上がっている。トランプ氏は6月下旬、南軍にちなんだ記念像を引き倒したいと思っている人は「我々の歴史を憎み、我々の価値観を憎み、我々が米国人として尊ぶすべてのものを憎んでいる」と述べた。
かつて敗れた南部をこれほど称賛する米国大統領は20世紀初めの大統領ウッドロー・ウィルソン以来となる。トランプ氏がこれほど大胆に南軍をたたえることができる事実は、南北戦争がいまだに米国内で決着がついていないことを示している。
20世紀のある黒人作家はこう書いた。「南部の奴隷法は死に絶えたかもしれない。だが、その法は墓場から我々を支配した」。今年5月、黒人男性のジョージ・フロイドさんが警官に首を膝で押さえつけられて窒息死した事件は、米国の白人社会が突如として、状況がいかに変わっていないかを知らしめる珍しい機会だった。
それぞれが60年代の公民権運動に道を開いた決定的な出来事だ。しかし、どの事件もフロイドさんの殺害と同様、それまで日常的に起きていたことがきっかけだ。ローザ・パークスの事件の前にも白人用の席からの離席を求められた人が何人もいたように、フロイドさんの前にも何人もが警察の暴行にあってきた。フロイドさんの死は、パークスの非暴力的な不服従と同じように歴史の転換点になった。
「これほどのうねりは(68年の)マーティン・ルーサー・キング牧師殺害以来だ」。4年前に出版され、最近米ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに一気に返り咲いた「ホワイト・レイジ(白人の怒り、邦訳未刊)」の著者キャロル・アンダーソン氏はこう語る。
だが、当時と今では条件が異なる。当時大統領候補だったニクソンとは異なり、トランプ氏は現職の大統領だ。トランプ氏はおおむね平和的なデモ参加者を「殺人犯」「国内テロリスト」「悪党」と呼び、フェンスを張りめぐらせて内にこもっている。だが、現在起きていることは最終的にホワイトハウスが責任を負うことになる。
米軍高官も支持していたこの提案をトランプ氏が退けたことには、事態が平和的に収束するとみている楽観主義者さえも戸惑いを隠せずにいる。南北戦争で命を落とした米国人の数は、2度の世界大戦の米国の犠牲者数の合計より多い。星条旗を敵に回して戦った男たちを現在たたえ続けることにはそれだけのリスクがかかっている。
「我々はドイツをナチスから解放した」。アンダーソン氏はこう話す。「だが南部についてはいまだ、南部連合の意識から解放できずにいる」
(6月26日付)
【中外時評】強権政権も揺るがすコロナ
上級論説委員 坂井光
旧ソ連のベラルーシでは珍しい光景だ。5月以降、週末にかけて首都ミンスクなどで国家権力を公然と批判するデモが発生している。過去にも抗議運動は起きたが封じ込まれ、広がることはなかった。
今回、目新しいことのひとつはスリッパを手にしている市民がいること。合言葉は「ゴキブリを止めろ」。たたきつぶされる嫌われ者に例えられているのは、ルカシェンコ大統領(65)だ。
ただ、これまでと違うのは選挙後、独裁が安泰でないかもしれないということだ。
コロナ禍はあらゆる国の弱点や課題を改めて浮き彫りにした。日本ではオンライン行政の遅れや東京一極集中などの弊害が指摘された。米国では貧困層に死者が集中するなど、経済格差や医療保健制度の欠点を露呈した。
強権国家も例外ではなかった。人権に配慮せず思い切った対策がとれるので被害を抑え、民主主義体制より優れていることを誇示すると思われた。しかし、必ずしもそうではなかった。
中国は初動の遅れで世界に感染を広げた。都市封鎖を断行したが、感染はいまも続く。硬直的な体制のひずみも露呈し、指導部は信頼低下を防ごうと躍起になっている。
プーチン大統領(67)率いるロシアはもっと深刻だ。徹底的な外出制限を課したが、感染者の数は不名誉なことに世界3番目の多さだ。
ルカシェンコ氏とプーチン氏が今の座から降りるのはまだ先になるだろう。しかし、政治的停滞が長引くだけ、国民の不満は蓄積される。それが噴出するとき、国内外に及ぼす衝撃は大きくなる。