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◎貸倒引当金、世界で2.3倍
「銀行の支払い能力に影響が出るのはこれから。(BISとして)注視していかなければならない」
報告書によると、欧州の銀行の総資産利益率は約0.5%、日本は約0.3%と極めて低く、国際平均の約1.2%を大きく下回っている。
国債の発行額に占める中央銀行の保有割合は、日本が約5割。米国やユーロ圏も3割に近づく。中央銀行の資産の国内総生産(GDP)比も上昇に歯止めが掛からず、財政赤字の穴埋めにつながるとの懸念がくすぶる。
シン氏は世界全体のGDPが19年末の水準に回復するのは21年末以降とした。コロナ危機で需要が落ち込めば物価も上がりにくくなり「低インフレの継続」(同氏)に陥るリスクが高いという。世界中が低成長・低インフレの「日本化」に陥る恐れも消えない。シン氏は「生産性次第。我々が直面しているリスクの一つだ」と語った。
◎【大機小機】メルケル氏が導くコロナ後
コロナ危機ほど世界の指導者の優劣をはっきりさせた例はないだろう。強権政治家やポピュリスト(大衆迎合主義者)が相次いで馬脚を現すなかで、光彩を放つのはメルケル独首相である。
メルケル政権の真髄はその文化政策にある。首相は「ドイツは文化の国だ」とし「芸術支援を優先順位リストの最上位に置いている」と述べた。大幅遅れのデジタル化を「1丁目1番地」と位置付けるしかない安倍晋三政権との落差は大きい。
メルケル首相が力量をみせたのはマクロン仏大統領と組んだ大規模なEU復興基金の推進である。最大の経済危機を前に「かけるべき橋は大きくなる」と大転換した。復興基金のためのEU共同債の発行は財政統合につながる。財源に国際炭素税やデジタル税を当てれば経済の仕組みを変えることになる。
メルケル首相の復活はコロナ危機下の救いである。自国本位主義を排し国際協調を先導する「敗れざるメルケル」は、コロナ後の世界に道しるべを示している。
◎「習氏の外交は孤立の道」
元英外相 マルコム・リフキンド氏
「国家安全法の導入が中国の国益を傷つけることを呼びかけ国を超えて再考を迫る狙いだった。香港が自治権や法の支配を失えば、市民の自由を奪うだけでなく経済界の信頼を失う。香港は海外からの中国本土への投資の70%が経由するロンドンに似た国際金融センターだ。自由主義や安定した法の支配が揺らげば、投資家や経済界は時間の経過と共にほかの国へと流出していくだろう」
「国益を害するもう一つの点は英国や日米、周辺のアジア諸国をさらに敵に回す点だ。(中国の体制と親和性があるはずの)社会主義のベトナムが米国と親交を深め、何千キロも離れた日本とインドが共同軍事演習に取り組んでいる。これは周辺国にとって中国との関係が難しくなっていることの証左だ。習近平(シー・ジンピン)国家主席が外交政策が持続可能ではないと認識しない限り、孤立の道を歩みかねない」
――中国内では香港返還の時点で、香港の「高度の自治権」を明記した1984年の中英共同声明は無効になったとの主張もある。
「くだらない言説だ。共同声明やその関連の同意は中英両政府によって署名された合意文書で、国連にも登録された。したがって2047年までは声明の中身は失効せず、両政府が声明の履行状況を監視する役割を担う。これには疑問を差し挟む余地はない」