法華真言勝劣事120ページ
文永元年43歳御作
『華厳経に劣れり』
東寺の弘法大師空海の所立に云く法華経は猶華厳経に劣れり何に況や大日経等に於いてをやと云云、
『大日経に同じ』
慈覚大師円仁・智証大師円珍・安然和尚等の云く法華経の理は大日経に同じ印と真言との事に於ては是れ猶劣れるなりと云云其の所釈は余処に之を出す。
『十住心』(じゅうじゅうしん)
空海は大日経・菩提心論等に依つて十住心
を立てて顕密の勝劣を判ず、
☆十住心論
『十住心論』(じゅうじゅうしんろん)、正確には『秘密曼陀羅十住心論』は、空海の代表的著述のひとつで、830年ころ、淳和天皇の勅にこたえて真言密教の体系を述べた書(天長六本宗書の一)。10巻。
人間の心を10段階に分け、それぞれに当時の代表的な思想を配置することによって体系を築いている。真言密教こそが人間の心の到達できる最高の境地であるとしている。
1)異生羝羊心 - 煩悩にまみれた心
2)愚童持斎心 - 道徳の目覚め・儒教的境地
3)嬰童無畏心 - 超俗志向・インド哲学、老荘思想の境地
4)唯蘊無我心 - 小乗仏教のうち声聞の境地
5)抜業因種心 - 小乗仏教のうち縁覚の境地
6)他縁大乗心 - 大乗仏教のうち唯識・法相宗の境地
7)覚心不生心 - 大乗仏教のうち中観・三論宗の境地
8)一道無為心(如実知自心・空性無境心) - 大乗仏教のうち天台宗の境地
9)極無自性心 - 大乗仏教のうち華厳宗の境地
10)秘密荘厳心 - 真言密教の境地
『十住心論』の内容を簡略に示したものが、『秘蔵宝鑰』である。
『法相宗・三論宗・天台宗・真言宗』
其の中に第六に他縁大乗心は法相宗・第七に覚心不生心は三論宗・第八に如実一道心は天台宗・第九に極無自性心は華厳宗・第十に秘密荘厳心は真言宗なり、
『浅き従り深きに至る』
此の所立の次第は浅き従り深きに至る其の証文は大日経の住心品と菩提心論とに出づと云えり、
『配する名目は無し』
然るに出す所の大日経の住心品を見て他縁大乗・覚心不生・極無自性を尋ぬるに名目は経文に之有り然りと雖も他縁・覚心・極無自性の三句を法相・三論・華厳に配する名目は之無し、
『文義共に之無し』
其の上覚心不生と極無自性との中間に如実一道の文義共に之無し、
『天台宗と名づけ華厳宗に劣る』
但し此の品の初に「云何(いか)なるか菩提・謂く如実に自心を知る」等の文之有り、此の文を取つて此の二句の中間に置いて天台宗と名づけ華厳宗に劣るの由之を存す、
『文義共に之無し』
住心品に於ては全く文義共に之無し、
『信用に及ばず』
有文有義・無文有義の二句を虧(か)く信用に及ばず、
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真言=亡国=民進!
北九州は正月なしで法戰!
私たちも大変忙しいですが地道に進めて参りましょう。