今後の都市部における失業者対策の重点は、下崗労働者問題から「ゼロ就業家庭」 (就業年齢に達する家族構成員のすべてが失業状態にある家庭)や特に 40、50 歳代の 再就職困難者の対策となる。これら早期に再就職することが望まれる者に対して、中 国政府は、職業訓練や創業支援を行うとともに、100 万人規模で交通整理、清掃、緑 化作業など公的な仕事を提供しているとのことであった。実際、北京の街中では、交 通整理を行う多くの労働者がみられた。
なお、労働社会保障部は、2008 年の雇用対策の数値目標を「105145」として いる(図表8)。すなわち、?都市部新規就業者数 1,000 万人、?下崗労働者・失業者 の再就職 500 万人、?下崗労働者・失業者のうち 40、50 歳代等の就職困難者の再就職 100 万人、?都市部登録失業率を 4.5%以内に抑制するというものである。この数値目 標は、例年控えめなものとなっているが、2008 年の目標は、昨年の目標「95146」 を上回るものとなっている。