(2) 就業構造の変化
中国の就業構造は、経済の発展に伴い大きく変化した。 就業者の産業別構成は、第一次産業から第二次産業と第三次産業に大きくシフトし た(図表3)。第一次産業に従事する就業者の割合が 1980 年の 68.7%から 2006 年の 42.6%に低下したのに対し、第二次産業は 18.2%から 25.2%、第三次産業は 13.1% から 32.2%へとそれぞれ大きく上昇した。
しかし、それでも第一次産業に従事する労働者は依然として約3億3千万人も存在 し、農村における余剰労働力は、1.5 億人とも2億人ともいわれている。
就業先の企業形態別構成も大きく変化している。都市部では、これまで中国経済の 根幹を形成していた国有企業で働く者は大きく減少し、これに代わって私営企業、外 資系企業、個人経営などで働く者が増加している(図表4)。国有企業の労働者が減少 している理由は、人員の合理化や企業再編によるところが大きい。
一方、農村部では、郷鎮企業で働く者が増加しており、郷鎮企業が農村の雇用創出 に大きく貢献していることが分かる。