“その年の12月31日まで居住”が要件
Q1海外出国時
従業員Aは、9月30日に当社の海外子会社に3年間の予定で出国。当社では海外出国時に年末調整を行いますが、毎年受けている住宅控除はどうなりますか。
A1受けられません。
「住宅借入金等特別控除」(以下「住宅控除」)は措置法41条に規定されていますが、
「居住者が、その年の12月31日まで引き続きその居住の用に供している年に限る」
とされています。
御社の従業員Aは9月30日に出国し、本年12月31日までに引き続きご自宅に居住することは出来ませんので、海外出国時に行う年末調整では住宅控除の適用を受けることは出来ません。
Q2帰国後
従業員Aは3年の予定で海外出向しますが、日本に帰国後、再び自宅に居住した場合には住宅控除の適用を受けることが出来ますか。
またその場合には出国時に何か手続きが必要になりますか。
A2受けられます。
措置法41条11項では、転任の命令に伴う転居その他これに準ずるやむを得ない事由に基因して居住の用に供しなくなったことにより、住宅控除を受けられなくなった後、これらの家屋を再びその者の居住の用に供した場合には、残期間について住宅控除の適用を受けることができる旨、規定しています。
上記規定は、御社の従業員Aのような海外勤務にも適用されます。
なお、この適用を受ける際には、
「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」
を従業員Aの所轄税務署に提出する必要があります。
この届出書には、
「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」
及び
「給与所得者の住宅借入金等特別控除証明書」
の交付を税務署長から受けている時には、その未使用分も添付して提出します。
Q3単身赴任
従業員Bは、3年間の予定で出向するため日本を出国しますが、子供の学校の関係で単身赴任する予定です。
その場合の住宅控除の適用はどうなりますか。
A3受けられません。
国内の単身赴任ではご家族の方が引き続きご自宅に住んでいる場合には、住宅控除の適用を受けることが出来ます。
しかし、住宅控除を受けられるのは「居住者」となっていますので、海外に単身赴任等をし、その年の12月31日において非居住者である場合には、その非居住者である年分については住宅控除の適用を受けることが出来ません。
※と言うよりもこれは、国際化に対応していない国税庁の怠慢としか言いようがありません!