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経済的合理性はある?

2014年06月02日 (月) 11:42
経済的合理性はある?

【(1)の回答】

├移転価格=独立企業間価格4万円
|
| 経済的合理性アリ
|
├移転価格=独立企業間価格3万円
|
0円

御社は現在中国子会社からA電気自動車を1台当たり3万円(円建て)で輸入していますが、その国外関連者たる中国子会社との移転価格(比較対象価格)と独立企業間価格は一致しており、移転価格税制の対象となっていないものと仮定して、この度、円安の進行、資材相場の高騰、労賃のベースアップの三要素を考慮して、新たに4万円で取引を行い、一方移転価格税制の独立価格比準法の一つの原価基準法でもって再計算したところ、4万円が独立企業間価格として適正ということであれば、依然として独立企業間価格と移転価格は同額であって、移転価格税制の適用はないといえるでしょう。


├移転価格4万円 →※価格操作
|
| 経済的合理性アリ→※移転価格
|
├独立企業間価格(原価基準法)3万8千円
|
0円

一方、原価基準法で再計算した独立企業間価格が3万8千円であったとしますと、移転価格4万円との差額2千円が操作されたものとみなされて移転価格課税される可能性が出てきます。


├4万5千円(移転価格)
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| 経済的合理性ナシ
|  ↑ 実質贈与→寄附金課税!!
| 
├4万円
|
| 経済的合理性アリ
|  ↑ 価格操作→移転価格課税!!
|
├3万8千円:独立企業間価格(原価基準法)
|
|  ↑ 引き上げ
|
├3万円:独立企業間価格

さらに、もし、移転価格が4万5千円であったとします。独立企業間価格3万8千円と4万円との差額は経済的合理性ありとされても、4万円と4万5千円との差額5千円に経済的合理性がないとなれば、その5千円は実質贈与として寄附金課税となる可能性が出てきます。

【(2)の回答】
インドで銀行から同条件で融資を受ける場合に、固定金利2%が平均的な独立企業間価格であれば、移転価格と独立企業間価格が一致しますので、移転価格課税が行われることはありません。

|
├2% 移転価格=独立企業間価格
|       (独立価格比準法)
|
├0%

しかし、実際にインドの銀行で1年間の融資期間で借り入れを受けますと、固定金利で9%〜10%です。
であれば差額7%〜8%に経済的合理性が見出されれば移転価格課税が行われ、経済的合理性が見出されなければ寄附金課税が行われることになります。


├9%〜10% 独立企業間価格
|
| ↑価格操作
|  経済的合理性アリ→移転価格課税!!
|  経済的合理性ナシ→寄附金課税!!
├2% 移転価格
|
├0%

さらに、内国親法人が上記融資を固定金利1%で実施するとします。
100億円は国内の銀行から固定金利2%で借り入れて、そのうちの1%を内国親法人が負担して固定金利1%でインド子会社に融資したとするならば、その差額が経済的合理性のない実質的贈与として寄附金課税が行われる可能性があるでしょう。


├9%〜10% 独立企業間価格
|
| ↑価格操作
|  経済的合理性アリ→移転価格課税!!
|  
├2% 移転価格
|
| ↑実質的贈与
|  経済的合理性ナシ→寄附金課税!!
|
├1% 移転価格
|
├0%

【参考図書:ZEIKEN2014年5月号】


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