六一 童貫(どうかん)および高球(こうきゅう)の官軍を連破する
高球は祭京に向かって、
「口幅ったいことを申すようですが、もしも拙者を征討大元帥にご推挙下されば、ただの一戦で平らげてごらんに入れます」
「宋江、虜俊義らが犯したあやまちはすべて赦免するをのぞきて云々」
とある一行が、句読点の切り方一つで、
「宋江をのぞきて、虜俊義らが犯したあやまちはすべて赦免する」
とも読めないことはないのを利用して、まず宋江をおびきよせて殺してしまおう、宋江ひとり亡きものにすれば、あとは頭のない蛇同様、かたずけるのは造作もないと考え、ひそかに手はずをととのえて、梁山泊に招安の詔勅の下ったことを申し送った。
宋江は大いに喜んだ。しかし呉用はすぐに高球の陰謀を看破した。