Contents
RSS 2.0

ブログ blog page

高慢の鼻をへし折る

2014年04月30日 (水) 16:13
高慢の鼻をへし折る

六〇ー二

ところが太原府(今の山西省)から任原(じんげん)という男が出場するようになってからは、何しろ身の丈一丈もあって、みずから「激天柱」と号する、すごく強いやつなので、だれひとり相手になろうというものがなく、ここ二年つづけて賞品をただ取りしている。

燕青「いっちょうそやつに土をつけて、高慢の鼻をへし折ってやろう」

任原「いざ、天地日月、東西南北、いずくの国の仁にもあれ、我こそ一番、勝負を争ってやろうという仁はござらぬか」
「おれが取ってやる!」

燕青すかさずつっこんで、右手を相手の喉輪につけ、左手を相手の股ぐらにさし入れ、相手の胸を自分の肩にあててぐいと持ち上げ、力まかせに四、五へんぐるぐるふりまわして、「エイ」と投げつけると、任原まっさかさまに土俵の下に落ちた。数万の観衆はいっせいにワーッと喝采した。

「梁山泊の黒旋風だ。逃がすな!」


トラックバック

トラックバックURI:

コメント

名前: 

ホームページ:

コメント:

画像認証: