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トランプ政権は同盟国との摩擦も多かったが、国際協調路線に転じれば潜在的脅威とみなす中国への圧力もかけやすくなる。バイデン氏は「民主主義国家を活気づけ、台頭する全体主義に立ち向かう」と強調し、21年中に民主主義国の首脳を集めたサミットを主催すると提案している。日本や英仏など主要7カ国(G7)を軸にインドなどの民主主義国家を集めた枠組みが想定される。
米中心の国際秩序の刷新を狙う中国を意識した。対中政策でバイデン氏は「貿易、人権、安全保障」と明示し、強硬路線で臨む。トランプ氏とは異なり、人権問題を重視するのが特徴だ。
新疆ウイグル自治区のウイグル族の大量拘束や香港における市民への抑圧などを批判し、対応を改めるよう求める。気候変動や北朝鮮核問題では協力の余地も探る。
移民政策では、トランプ氏が課した移民の入国を制限する政策を廃止する大統領令を用意する。現在はイスラム諸国を中心に計13カ国からの入国を規制している。
トランプ政権と共通するのは中東での関与の縮小だ。アフガニスタンやイラクにおける駐留米軍の早期撤収をめざす方針は変わらない。親イスラエルに偏重していた中東外交は一定の修正が働く可能性があるが、バイデン氏はエルサレムに移した米大使館はそのままにするとも表明している。