【NIKKEI Asia】一帯一路、パキスタンで暗雲
鉄道事業の融資金利巡り中国と溝
日本経済新聞 朝刊
2020/11/8 2:00
借り手が資金を返済できない場合、中国が港湾などの重要施設や天然資源などを手中に収める「債務のワナ」との批判もあり、欧米は警戒している。これに対し、中国はインフラ支援が債務のワナへ導いたわけではないと反発している。途上国はもともと自国の経済規模と比べて対外債務が多いとしている。
欧米から追加融資を受けにくい中で、パキスタンは中国からの融資に頼らざるを得ないとみる向きもある。一帯一路のアジアや欧州諸国への影響についての著書があるジェレミー・ガーリック氏は、「パキスタンは(資金面で)苦しくなれば結局のところ譲歩し、中国側が指定する水準に近い金利で融資を受けざるを得なくなるかもしれない」としている。