ブラジル広布60周年――師と共に歩んだ歴史
ブラジルの格言に、こうある。
「逆境が英雄をつくる」
ブラジルの同志もまた、障壁が立ちはだかるたびに師弟の絆を強めながら、世界広布の王者として模範の前進を続けてきた。
1960年10月、池田先生がブラジルを初訪問。その折、先生は新任の幹部に“リーダーとして大切なのは後に続く同志のために、ブラジルの土になるのだという決意である”と語った
池田先生がブラジルを初訪問したのは1960年10月19日。日本の約23倍という広大な国土に、当時は100世帯ほどの会員が点在しているだけだった。日本から移住した彼らは、誰もが貧困や差別などで過酷な生活を強いられていた。
この訪伯前、先生は滞在先のアメリカで体調を崩していた。初の海外指導は、北南米の3カ国9都市を24日間で回る強行軍。同行者からは、ブラジル行きを止められた。しかし先生は毅然と答えた。
「私を待っている同志がいる……行く、絶対に行く。もし、倒れるなら、倒れてもよいではないか!」
会員のためならば、命をもなげうつ。深い覚悟をもって入国した先生の励ましに触れ、草創の友は奮い立ち、広布開拓に走った。