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春秋 日本経済新聞 朝刊 2020/10/17 2:00
明治時代、日本の民話などを世界に紹介したギリシャ生まれの文筆家、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)
「一分後れました、夕焼け少し駄目となりました。なんぼ気の毒」
国木田独歩「富士の中腹に群がる雲は黄金色に染まって……」
太宰治「毎日、武蔵野の夕陽は、大きい。ぶるぶる煮えたぎって落ちている」
八雲は入り日を見つつ、妻子らと
「夕焼け小焼け、明日、天気になーれ」
空模様に加え、家族の息災も祈ったにちがいない。コロナ禍の中、冬が近づく。感染や医療体制への不安は消えず、一刻も早い収束を願わない人はいまい。そんな希望も映し夕焼けが空を彩ってくれたら。ひととき励ましとなろう。