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2020.10.5-6

2020年10月04日 (日) 13:40
2020.10.5-

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〈ストーリーズ 師弟が紡ぐ広布史〉
第1回 差別を許さぬ世界目指して

 物語を意味する「ストーリー」と、歴史を表す「ヒストリー」。語源は同じである。日蓮大聖人は苦闘の友を「未来までの・ものがたりなに事か・これにすぎ候べき」(御書1086ページ)と励まされた。新連載「ストーリーズ」では、池田大作先生を中心にして紡がれてきた“師弟の物語”、そして折々の広布史をひもといていく(月1回の掲載予定)。

2010年10月、池田先生のシカゴ初訪問50周年を慶祝(けいしゅく)し、リンカーン・パークに設置された「平和と正義」像。制作者は「池田SGI会長の50年にわたる、平和と正義のための情熱的な功績を表します」と

●君が本当に愛し、誇れる社会をつくる

「世界の歴史において、偉大な政治家と思う方は?」
 希代の実業家である松下幸之助氏からこう問われると、池田先生は即座に、「リンカーン」の名を挙げた。
 アメリカの第16代大統領リンカーン。1863年の奴隷解放宣言、同年11月19日の「人民の、人民による、人民のための政治」との演説などで知られる。
 シカゴ市には、彼の名を冠する同市最大の公園「リンカーン・パーク」がある。
 今から10年前の2010年10月、この公園に、池田先生の平和貢献をたたえ、一体の像が設置された。黒人の少年と白人の少年がボールを使って仲良く遊ぶ姿を表現した「平和と正義」像である。その台座には、小説『新・人間革命』の冒頭の一節「平和ほど、尊きものはない」が刻まれている。

 1960年10月9日、初の海外訪問の折、先生はリンカーン・パークに足を運んだ。そして「平和と正義」像とは正反対の光景を目にした。
  
 その日は日曜日だった。
 公園では、子どもたちがボールを蹴って遊んでいた。1人、2人と、ほかの子どもも加わり、遊びの輪が広がっていく。
 そこへ、1人の黒人の少年が近寄ってきた。ところが、彼には誰も声を掛けない。
 しばらくして、子どもの1人が、ボールを蹴り損ね、尻もちをついた。傍らで見ていた黒人少年は、大声で笑い、はやし立てた。すると、近くのベンチに座っていた老人が、黒人少年を怒鳴りつけた。少年は背を向け、その場を走り去った。
 一部始終を見ていた先生は、胸が強く痛んだ。リンカーンの奴隷解放宣言から、100年近くが過ぎていた。奴隷という「制度」はなくなった。しかし、人間を分断する「心の壁」は根強く残ったままだった。
 先生は、少年を追い掛けようとした。だが、すでに姿は見えなかった。
 “君が本当に愛し、誇りに思える社会を、きっとつくるからね”――先生は心の中で、黒人の少年へ呼び掛けた。万人の尊厳が輝く社会の建設を、心に固く期した。
  
 リンカーン・パークの散策を終えた先生は、その日の午後、座談会に出席。参加者からの質問に、一つ一つ明快に答えるなかで、人種問題にも触れた。
 ――「地涌の菩薩」の使命を自覚し、行動すれば、人種や民族や国籍を超えて、世界平和と人間の共和が築かれていく、と。
 肌の色など関係なく、全ての人が誇りに思える世界を築くために、目の前の一人の「地涌の使命」を呼び覚ます。この一点から、先生は動き始めた。


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