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2020.10.4-5(3)

2020年10月03日 (土) 17:18
2020.10.4-

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土曜特集(公明)
遺伝子からBCGまで候補多数、ファクターXはあるか
国立国際医療研究センター 
杉浦亙臨床研究センター長に聞く
2020/10/03 4面

 新型コロナウイルスによる世界の死者が、100万人を超えた。1月に中国で最初の死亡例が報告されてから9カ月足らずだ。米ジョンズ・ホプキンス大の集計では、累計感染者数は約3290万人に上り、感染拡大に依然歯止めはかかっていない。こうした中、地域によって感染者数や死亡率に開きがあることから、重症化を防ぐ何らかの要素「ファクターX」があるのではないかと、世界中の多くの研究者が「仮説」を立てて検証している。

■可能性あっても立証が困難/国別死亡率に極端な差ない

 ――「ファクターX」に大きな注目が集まっている。

よく言われているのは、マスク着用や手洗いの習慣といった衛生意識や生活習慣、人種による遺伝子の多形、過去に似たウイルスに感染したことによる「交叉(こうさ)免疫」などだ。

 人種などの違いで言えば、候補の一つとして、免疫の働きや多様な病気の発症に関わる「HLA」(ヒト白血球抗原)物質が着目されている。HLAは人によって異なるため、重症化しやすい免疫型や遺伝子配列が分かる可能性はある。

――日本を含む東アジア地域の死者の割合だけ、今のところ極端に少ないとの見方もある。

 例えば、最近の世界保健機関(WHO)のデータを見ると、米国は862万人が感染し、20万人が死亡しているため、死亡率は大体2・3%ぐらいだ。

 日本の場合、感染者は8万2502人で、死者が1561人なので、死亡率は1・8%(9月28日現在)。極端な差は付いていない。今の時点で「日本人はかかりにくい」「重症化しにくい」とまでは断言しにくい。

――今年3月、結核予防のBCGワクチンを定期接種している国では「患者や死者が少ない傾向がある」と論文が発表された。

 杉浦 確かに相関関係はあるが、イコール因果関係ではない。BCGの定期接種を行うブラジルやイランは人口比の死者が多く、最近は行っていない豪州は低いなどの矛盾もある。

■症状を悪化させる因子が欧米人に多いとの研究も

 ――新たな見解も続々と出されている。

 杉浦 そうだ。国立国際医療研究センター(NCGM)のゲノム医科学プロジェクトチームは先月、欧州に比べ、東アジアで新型コロナウイルスの感染者や死者が少ないのは、血圧の調整に関係する遺伝子のわずかな違いが原因の可能性があるとする研究結果をまとめた。

 チームは、新型ウイルスが人の細胞に侵入する際に利用することで知られているタンパク質「ACE2」と同じグループに属し、血圧の調整に関与するタンパク質「ACE1」を作る遺伝子に着目。国内外のデータを集めて解析すると、ACE1遺伝子に特定の特徴がある人が多い東アジアの国は、この特徴がある人が少ない欧州や中東と比較して感染の報告数や100万人当たりの死者数が少ない傾向があった。さらなる調査を進めている。

◇◇

 体内には炎症細胞の酵素から人体の組織を保護する「α1―アンチトリプシン」という物質があるが、欧米人の中には、これが欠損している人たちが少なからずいる。アジア地域で欠損している人はそれほど多くない。これを持っていない人たちは肺気腫になりやすいとか、気管支系の病気になりやすいとか、呼吸器系の病気に関連していると言われている。


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