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心身の不調は首凝りが原因かも!?
首はもまずに、15分おきに緩める体操を
東京脳神経センター理事長 松井孝嘉さん
スマートフォン(スマホ)やパソコンを長時間使う生活で、目まい、頭痛、慢性疲労、うつ症状など、さまざまな不調が続く場合、その原因は“首凝り”にあるかもしれません。今回は「首こり病」の名付け親で、40年以上にわたり首と自律神経の関係を臨床で研究している脳神経外科医の松井孝嘉さんに、首こり病について聞きました。
●肩凝りとは違う
■多くの女性が肩凝りに悩んでいますが、全身の不調を引き起こすのは肩凝りではなく首凝りだそうですね。
首には、心臓や胃腸などの内臓や血管、呼吸器などをコントロールする副交感神経が通っています。そこが、凝りによって異常が起きることで働きが鈍り、頭痛や目まいなど、さまざまな不調を招くのです。
肩はいくら凝っても神経の異常を起こさないので、肩凝りと首凝りは分ける必要があります。そこで私は「首こり病」(頸性神経筋症候群。頸筋症)と呼び、治療法を研究してきました。
■首凝りの原因は?
むち打ちや頭部外傷の既往も原因の一つになりますが、それが無い場合、多くはスマホやパソコンの使用など、長時間うつむく姿勢を取り続けることにあります。いわゆる「スマホ首」です。
成人の頭の重さは約4〜6キロで、男女にそれほど差はありません。女性に首凝りが多いのは、首の筋肉量が少なく頭を支えるのが大変だからです。最近は若い男性でも筋肉量が少なく、首凝りに悩む人が多くなってきました。
スイカの大玉に匹敵する頭の重さを、前後左右に動かしながら支えているのが、首の筋肉と頸椎です。
うつむく角度が大きいほど、首の後ろ側の筋肉にかかる負担も大きくなります。60度うつむけば負荷は27キロにもなり、8歳の児童の平均体重に相当します。もちろん、首を支える胴体の筋肉、さらにそれを支える腰の筋肉の負担も大きくなります。
このように負荷がかかり、血流が悪くなって生じた凝りが悪化すると、自律神経に影響が出て、原因不明の症状(不定愁訴)が起きるようになります。
首凝りを予防するネックリラクゼーション
?椅子に深く腰掛け、背中を背もたれに付けたまま、首の後ろで両手の指を組む。
?頭を両手で支えながら、ゆっくり後ろに倒して30秒静止する。
POINT!
〇筋肉を緩める体操なので、首の力を抜き、ゆっくり息を吸い、ゆっくり吐くこと
○日常生活では首を冷やさない工夫を!