◎富坂教授
単純な疑問として浮かぶのは、中国がいつ対外融和的であって、またいつ切り替わったのか。
南シナ海でも東シナ海でも大人しかったためしはなく、ずっと主張のままに行動していた。オーストラリアへの貿易を通じた嫌がらせも意外ではない。むしろ、対フィリピンや対韓国、対カナダで実績を積んだ得意技だ。
ましてや、香港・台湾問題で外国が口を出せばインスタントに強烈な拒否反応が引き起こされる。これは、自動販売機でボタンを押せば商品が出てくるほど自然な現象だ。
何が言いたいのかといえば、「戦狼外交」とちょっと上手い言葉に鋭に入っていると大事な現象を見落とすということだ。
どうやら習近平の中国は、人民解放軍のグリップを高めているようなのだ。
(夕刊フジ)