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2020.9.8-5(2)

2020年09月07日 (月) 14:49
2020.9.8-5

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◇原田 ログノフ博士は、池田先生のことを「精神的な師匠」とまで言われます。このような、世界中の知性からの揺るぎなき信頼も、全て若き日の「戸田大学」における恩師からの薫陶があったからだと、先生はよく語られます。
 池田先生は夜学に通いながら、1949年(昭和24年)1月から戸田先生が経営する出版社に勤務されます。その後、経営の悪化が深刻になる中でも、池田先生は必死で師の事業を支え抜きました。しかし、50年の年頭、戸田先生は「君には、本当にすまないが、夜学は断念してもらえないか」と池田先生に語られます。昼夜を問わぬ池田先生の献身なくしては、事業の窮地を脱することはできない状況であったからです。
 そして戸田先生は、池田先生を日曜ごとに自宅に招き、個人教授をされました。戸田先生が会長に就任した後は、市ケ谷にあった会社の事務所で毎日、始業前に授業が行われることになります。師と弟子が一対一で、またある時は数人のメンバーに対し、魂を注ぎ込むかのように万般の学問を講義されたのです。これが「戸田大学」です。
  
 ◆大串 一回一回、真剣勝負で行われ、講義中にノートを取ることが許されなかったことは有名な話です。
  
 ◇原田 講義の中で戸田先生は、こんなエピソードを紹介されたそうです。
 長崎で、オランダ医学を勉強した蘭学者がいた。全て書き取っていたので、その筆記帳は膨大な量となり、行李がいっぱいとなった。しかし、海を渡り帰る途中、船が沈んでしまい、筆記帳を失ってしまった。頭のなかには、何も残っていなかった――戸田先生は「だから、君たちは、頭のなかに入れておくのだ。メモはだめだ」と。
 私たちも、池田先生から指導を受けている際、メモを取った瞬間に「メモを取ってもしょうがないじゃないか。生命に刻むことが大事なんだ」と指摘されたことがあります。池田先生は、戸田先生の教え通りに私たち青年を訓練してくださったのです。
  
◆林 その科目は「経済学」「法学」「化学」「天文学」「日本史」「世界史」「漢文」「政治学」などでした。
  
 ◇原田 戸田先生は、このほかにも、青年の育成に力を尽くされ、『永遠の都』『水滸伝』『三国志』『平家物語』『モンテ・クリスト伯』『隊長ブーリバ』『九十三年』などの名著も取り上げて講義されていました。
 よく、池田先生は「戸田大学で学んだ」と前置きをされながら、「御聖訓」「箴言」「古典」などを私たちに教えてくださいます。それほど真剣に、恩師からの教えを生命に刻まれ、大事にされてきたのだと思います。それが先生の膨大なスピーチ、指導、講演、また提言や対談集などにも収められています。
 戸田先生は、「青年よ、心に読書と思索の暇をつくれ」と訴え、池田先生には、常々、「今日は、何の本を読んだか?」と聞かれたそうです。そして、本の名をお伝えすると、「その内容を述べなさい」「感想は?」と矢継ぎ早に質問されたといいます。しかも、その訓育は、戸田先生が亡くなる2週間ほど前まで続いているのです。

● 「一輪の花」を無上の栄誉と感謝
 ◆西方 「戸田大学」で、ある講義が修了した時のことです。戸田先生は机の上の一輪の花を取り、池田先生の胸に挿されました。そして、「この講義を修了した優等生への勲章だ」「金時計でも授けたいが、何もない。すまんな……」と言われています。当時は、戸田先生の事業が苦境の底にあり、池田先生が、死にものぐるいで学会と戸田先生を支えていた時期です。
  
 ◇原田 これは、創価の師弟の本質を語る上で大変に重要なお話です。
 池田先生はその頃、病とも闘われながら題目を唱え、阿修羅のごとく働き、勉強も重ねられました。それが「何ものにも負けない力となった」と言われています。
 池田先生は「一輪の花」を深く信心で捉え、広宣流布の大師匠からの最高の賞讃と受け止め、アパートに帰宅した後も御宝前にそなえ、感謝の祈りをささげられました。御書に「ただ心こそ大切なれ」(1192ページ)と説かれている通りの実践です。
 先生はこの時の真情について「その花こそ、世界中のいかなるものにも勝る、最高に栄誉ある勲章であると思った。感動を覚えた。自分は最大の幸福者であると感じた」とつづられています。
  
 ◆樺澤 作家の佐藤優氏も週刊誌「AERA」で連載中の「池田大作研究」で、このエピソードについて論究しています。「胸に挿した一輪の花が、学位なのである。一輪の花は、博士号よりも重い学位だ。卒業証書や学位のような肩書が重要なのではない。学知を身体化することが重要なのである」と述べ、だからこそ池田先生が「一輪の花」を挿された時に「自身は最大の幸福者であると感じた」と指摘しています。
  
 ◇原田 今、池田先生の平和・文化・教育への貢献に対する賞讃の声はやむことがありません。世界24カ国からの国家勲章、大学・学術機関からの396の名誉学術称号など、世界中から贈られた「英知の宝冠」は、その結実なのです。
 また、戸田先生は折に触れて、功労のあった同志を最大にたたえてこられました。学会はそうした精神を継承し、奮闘する同志を労い、激励するために、感謝状などを授与して、表彰を行っています。
池田先生は、これらについて「単なる一枚の紙だというような受け止め方をしたら絶対に後悔するよ。一人一人が、人生を広布に懸けた証明なんだ。そういう心を持っていくことが重要なんだ」と教えてくださったこともありました。これも大変に重要なご指導です。

「戸田先生の、青年に対する訓練は、本当に厳しかった。『勉強しない者は、私の弟子ではない。私と話す資格もない』とさえ言われていた」「戸田先生が厳愛をもって育んでくださったおかげで、今日の私があるんです。青年は、未来のために、どんなに忙しくても、日々、猛勉強するんだよ」と。
  
◇原田 先生は、小説『新・人間革命』をつづられた真情について「『戸田大学』で恩師から一対一の薫陶を受けたように、日本中、世界中の青年たちと、この書を通して命と命の対話を交わしたいということであった」と述べられています。
 世界中の青年が『新・人間革命』を研さんし、師と対話する思いで日々の信仰の糧としています。徹底して学び、実践する青春の中に鍛えがあり、自らの血肉となっていきます。後継の皆さんが一段とたくましく成長していくことで、さらに強固な青年学会が築かれていくのです。


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